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  1. 静岡市議会 2008-06-03
    平成20年6月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(城内 里君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、昨日お手元に配付したとおりであります。    ─────────────────────    日程第1 議案第149号 平成20年度静岡市一     般会計補正予算(第1号) 外19件(総括     質問) 2 ◯議長(城内 里君) 日程第1、議案第149号平成20年度静岡市一般会計補正予算(第1号)から日程第20、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、馬居喜代子君。   〔5番馬居喜代子君登壇〕 3 ◯5番(馬居喜代子君) 皆さん、おはようございます。きょうは川原小学校の皆さん、しっかり勉強して帰ってください。できるだけわかりやすく質問しますので、当局の方もぜひわかりやすい言葉で御答弁お願いしたいと思います。  それでは、通告に従い、大きく4項目にわたって質問してまいります。  初めに、スクールソーシャルワーカーの導入について伺います。  ここ数年、不登校、いじめ、育児放棄などさまざまな問題を抱える家庭の保護者や子供に対し、社会福祉などの専門的な見地で対応するスクールソーシャルワーカーへの関心が高まってきています。教育現場ではこれまでも心の教室相談員やスクールカウンセラーなどを導入して、子供を取り巻く課題の解決や子供の心のケアに取り組んできたところです。しかし、問題を抱えた子供を教育的な立場で学校の中だけで指導、教育することには限界があることはだれもが承知している事実です。子供の家庭環境や親子関係、友人関係などに踏み込んだ、もっと包括的な解決方法が求められるようになってきています。子供が学校に来さえすれば、担任や、あるいは養護教諭の先生、カウンセラーなど、相談に乗る体制はできています。しかし、家庭に問題があって学校に来ない場合どうするか。例えば、お母さんが夜遅くまで仕事をしていて、朝起きてくれない。子供も自分では起きられない。朝御飯もつくってもらえない。そういう家庭があったとします。担任の先生が毎朝その子を起こしに行って学校に連れてくる、そんなことはできません。そういう担任の先生1人では、また学校の中だけでは解決できない複雑な問題が、実は学校現場には驚くほどたくさんあります。そんな問題にぶつかったとき、学校や関係機関と連携をし、福祉的な見地からチームとして問題を解決していくための調整役を果たす専門家がスクールソーシャルワーカーです。本年度、文部科学省がスクールソーシャルワーカー活用事業として約15億円の予算計上をし、全国に配置しましたが、それを受けて、我が市としても本年度初めてスクールソーシャルワーカーを導入したところです。  そこで、お伺いをいたしますが、当局としてスクールソーシャルワーカーの必要性をどのように考えて導入されたのかお答えください。  次に、地域子育て支援の推進について伺います。  少子高齢化が進んだ現在、何よりも大切なのは少子化対策、子育て支援であるとの認識のもと、静岡市としてどこよりも子育てしやすいまちを目指して取り組んでこられたことは評価に値すると思っております。保育所や児童クラブの拡充、子供の医療費助成も拡充しました。また、不妊治療の助成、ファミリーサポートセンター事業、そして妊婦健診の助成もことしから2回を5回に拡充し、昨日もお2人から質問があったところですけれども、先日、市長からも市として助産師さんのところでもこの助成が受けられるように、市として独自の仕組みをつくっていく旨の説明もありました。  安心して子供を産み、育てられる環境が少しずつ整ってきていると思います。しかしながら、まだまだ充実していないと思うのは、在宅で子供を育てているお母さんに対するきめ細やかな支援についてです。核家族で近くに相談できる相手がいない中、孤独に子育てをしているというような場合、本来楽しいはずの子育てが次第に苦しいものになり、育児ノイローゼのようになって自分を追い詰め、結果、子供を虐待してしまうというのもありがちなことです。私は、そういう方々が地域の中で身近なところで仲間をつくっていくことこそが大切だと思っています。とにかく1人にならないことです。そして、できれば、子育てを終えた、時間のある団塊世代の方などが気軽に声をかけたり、アドバイスしたりできるようなシステムをつくることが大事ではないかと考えてまいりました。
     そこで、お伺いいたします。  現在、地域子育て支援としてどのような事業が実施され、どのような効果を上げておられるのかお答えください。また、今後の課題についてはどのように考えておられるかお伺いいたします。  では、3番目に、発達障害者支援について伺います。  昨日の水野議員の質問の中で、済生会病院の医療福祉センターの4階で行われています発達障害者支援センターの事業概要については、ほぼ説明がありました。いずれにしても、発達障害そのものがまだまだ解明されていない部分も多く、乳幼児期から成人期まで一貫して支援をしていく体制をつくらなければいけない。そして、就労の問題までとなると、ちょっと気の遠くなるような大変な作業になりそうです。しかしながら、少し前までは発達障害が疑われてもどうしてよいかわからずに対応に苦慮していたことを考えれば、支援センターができたことは本当に心強く、ありがたいことだと思っております。  そこで、質問ですが、昨年10月から発達障害者支援センターで行われた支援について、どのような効果があったと考えておられるのかお伺いいたします。そしてまた、発達障害者支援の今後の課題についてどのように考えておられるのかお伺いいたします。  最後に、ワーク・ライフ・バランスの推進について伺います。  ちょうどきのうからワーク・ライフ・バランスの週間になっておりまして、市庁舎のほうにも横断幕が掲げられました。昨年12月18日、首相官邸で行われた官民トップ会議において、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章と、仕事と生活の調和推進のための行動指針が策定されました。これは、関係閣僚、福田総理とか上川大臣とかですが、あるいは日本労働組合総連合会の高木会長、そして日本経団連の御手洗会長、そして慶応大学商学部の樋口教授などがそろって調印を行い、決定されたものです。  この憲章においては、今なぜ仕事と生活の調和が必要なのか、そして、それが実現した社会の姿とはどのようなものか、そのために関係者が果たすべき役割は何かがわかりやすく示されています。  また、行動指針では企業や働く人たちの効果的な取り組みについて、また国や地方公共団体の施策の方針などが示されていますが、特筆すべきは具体的な14の数値目標です。女性や高齢者の就業率を5年後に、あるいは10年後にここまで持っていくよという、その数値、フリーターを10年でピーク時の3分の2まで減少させる、また1週間に60時間以上の労働を強いている雇用者を10年間で半減させる、また第1子出産前後の女性の継続就業率を、現状は38%ほどですが、10年後には55%まで持っていく等々、具体的な働き方の目標が示されています。つまりは、多様な働き方をだれもが選択できるようにして、健康で豊かな生活のための時間を確保できるようにしていこうというものです。働き方の見直しというのは、これまで労使間の問題として、すべて労使の自主性にゆだねられてきたことに難しさがありました。それが今回、今言いましたように政界、労働界、経済界すべての合意によって憲章と行動指針が示されたことには大変大きな意味があったと思っております。  そこで、質問ですが、ワーク・ライフ・バランス憲章について、市としてどのように評価をしているのか、そして今後市の施策にはどのように結びつけていこうとしているのかお伺いをいたします。  以上、1回目です。 4 ◯教育長(西条光洋君) スクールソーシャルワーカー導入の必要性についてどのように考えているかというお尋ねにお答えをいたします。  スクールカウンセラーは、問題や悩みを抱える児童生徒、保護者への相談活動を通じ、問題の解決が図られるよう支援しております。しかしながら、児童生徒を取り巻く環境が問題の要因であったり、本人や保護者に問題意識がなく、相談活動も行えないなど、スクールカウンセラーだけでは十分に対応することができない場合もあります。このような場合には、さまざまな情報をもとに問題解決の糸口を探り、地域の人材や福祉関係機関なども活用した支援体制づくりをする調整役が必要となります。スクールソーシャルワーカーは、こうした役割を担う専門職で、学校に定期的に派遣して家庭や児童生徒の背景にある環境の改善を促すことができることから、長期欠席など、今までは難しかった問題の解決に向けた支援など、多様な対応が可能になると考えております。  以上でございます。 5 ◯保健福祉子ども局長(長田光男君) 地域の子育て支援として、どのような事業が実施され、その効果と今後の課題についてお答えいたします。  地域の子育て支援としては、子育て支援センター事業子育てトーク事業遊び子育ておしゃべりサロン事業が実施されております。子育て支援センター事業は、17カ所の地域子育て支援センターを設置し、保健福祉センターや保育園、主任児童委員等と連携しながら交流の場の提供、情報の提供、相談事業などを実施しているもので、年間15万人の利用者があり、地域の子育て支援拠点として大きな役割を果たしております。また、地区社会福祉協議会が46事業を実施する子育てトーク事業、公立保育園70園以上が実施する遊び子育ておしゃべりサロン事業は、ともにより身近な交流や相談の場として子育て不安の解消に効果を上げ、地域で子育てを支援する風土醸成にもつながっております。今後は清水区を中心に実施され効果を上げてきた子育てトーク事業を全市域に拡大していきたいと考えております。  次に、発達障害者支援センターの事業効果と今後の課題についてお答えいたします。  効果としては、保護者や関係機関職員に対する専門性の高い指導や助言により、発達障害のある児童の早期発見・早期支援が図られていること、また月1回開催される保育園、幼稚園、学校などの関係機関職員向けの研修会を通じて発達障害の正しい理解と支援技法を習得した人材を育成しており、発達障害者支援体制の整備を進めているところであります。今後の課題としては、市民の皆様に発達障害について正しく理解していただくとともに、発達障害のある児童の早期発見・早期支援の一層の充実・強化が必要であると考えます。  次に、昨年暮れに内閣府が出したワーク・ライフ・バランス憲章について、市としてどのように評価し、今後市の施策にどのように結びつけていくのかとの御質問ですが、仕事と生活の調和が実現した社会の姿として憲章に掲げた1つ目として、就労による経済的自立が可能な社会、2つ目として、健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、3つ目として、多様な働き方、生き方が選択できる社会という3つの社会像は本市においても目指すべき社会の姿であり、その実現に向けた施策を積極的に進めたいと考えております。次世代育成支援の視点から、今年度は仕事と生活の調和についての啓発事業に取り組み始めたところであり、今後の取り組みとしては、次世代育成支援の視点だけではなく、男女共同参画や多様な働き方など、さまざまな視点から市民の理解を促進するための啓発事業や、多様な働き方に対応した保育サービス等子育て支援の充実、さらに育児、介護等を行う家族を支える社会的基盤の整備、仕事と生活の調和の実現に向けた企業への働きかけなどが考えられ、このような中から本市の実情に応じた施策に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。   〔5番馬居喜代子君登壇〕 6 ◯5番(馬居喜代子君) お答えいただきまして、ありがとうございました。  2回目の質問をさせていただきます。  まず、スクールソーシャルワーカーについてです。  先日、スクールソーシャルワーカーを導入している先進地として香川県と大阪府を視察させていただきました。香川県教育委員会のほうは不登校対策、保健室登校の生徒の支援策として出発したという印象でした。複雑化、多様化している子供の心の問題を解決するには、学校内はもちろん、家庭や専門機関との連携が今大変重要になってきています。そういう問題を学級担任が1人で抱え込んでしまわないようにチームで支援するやり方を学び、問題解決の方向性を明確にして、それぞれのメンバーが役割分担をしていくこと、その調整役としてソーシャルワーカーがうまく機能しているということでした。  香川県は、平成13年からモデル校にソーシャルワーカーを配置し、また申請のあった学校に年間70回ほどスクールソーシャルワーカーを派遣しています。初めは、一体何をしてくれるのかよくわからないというソーシャルワーカーだったわけですが、そのソーシャルワーカーの仕事ぶりがわかってくるに従い、派遣要請がどんどんふえているということでした。それだけ現場で困っている先生が多いとも言えるし、スクールソーシャルワーカーの果たしている役割が大きいのだと思います。また、大阪府の場合はそれまで1万人を超えていた小中学校の不登校、これを未然に防ぐための手だてとして、スクールソーシャルワーカーを活用したとのことでした。  不登校生徒は、中学校入学後1年間で小学校6年生のときの約3倍に増加している。そこに着目をし、小学校で学校を休みがちだった子供のその兆候をいち早くつかみ、不登校を未然に防ぐため、チームで支援する体制をつくる。そのコーディネーター役として、スクールソーシャルワーカーが大きく役立っているということでした。1人の児童生徒のためにチームで情報を共有し、役割分担を決めていくケース会議というのが一番重要で、この会議が開ければ、もうしめたもの、解決できると力説しておられました。  ここで、質問ですが、では、我が市として本年度具体的に取り組むことになりましたけれども、具体的にどのように取り組みをするのかを詳しく教えていただきたいと思います。  それから、地域子育て支援事業について、改めてたくさんメニューが行われていて、さまざまな支援が行われているということがよくわかりました。メニューはたくさんあるほどいいのだと思います。なぜなら、多くの人がその恩恵を受けられるからです。これについてちょっと意見、要望は後でまとめて述べたいと思います。  2回目の質問をいたします。  こんにちは赤ちゃん事業についてお伺いします。  こんにちは赤ちゃん事業というのは、生後4カ月までの乳児がいる家庭を保健師さんがすべて訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境の把握を行うという事業です。これは、先日閉会した通常国会で児童福祉法が一部改正をされ、その中に乳児家庭全戸訪問事業として位置づけられ、来年4月から施行される予定でした。ところが、衆議院は5月29日に全会一致で通過したわけですけれども、ねじれ国会のこのごたごたの中で問責決議案が出たり、いろいろなことがありました。その中で、参議院では結局審議されることもなく廃案になってしまいました。法案は通りませんでしたけれども、当局としては、これについて準備を進めてこられてきたと思いますし、この事業は赤ちゃんの健康状態の把握だけでなく、各家庭を訪問して行うことで虐待の防止という大きな側面もある大事な事業だと思っています。この事業について、市はどのように取り組もうとされてきたのかお答えいただきたいと思います。  では、発達障害者支援について、早期発見について伺います。  平成17年4月から発達障害者支援法に基づいた取り組みがスタートしました。これまでその実態もよくわからず、制度の谷間に置き去りにされていた発達障害というものをきちんと定義づけ、生まれてから年をとるまでのライフステージに合わせて適切な支援が受けられる体制が整いました。市としても、発達障害者支援センターを整備して、今お答えいただいたようにさまざまな支援を行ってくださっており、この障害がまた広く市民全体に理解されることを目指して、これからも活動していくという、答弁がございました。  ところで、この法律には発達障害について次のように規定されています。自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他のこれに類する脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものと定義されています。そのため、できるだけ早くその障害を発見し、適切な対応を図ることが大切だとされています。現在、母子保健法の規定により、ゼロ歳、我が市の場合は4カ月と10カ月、それから1歳半、3歳のときに健康診査が行われており、その後は小学校に入る前の6歳の就学前健診になります。この3歳児健診から就学前健診までの3年間という期間の開きが、実は発達障害にとっては重要な意味を持つと言われているのです。早期発見・早期療育の開始が6歳では遅過ぎるのではというわけです。発達障害は、対応がおくれると、それだけ症状が進むと言われています。また、就学前健診で発見されても、親がその事実を受け入れるのに時間がかかって適切な対応を講じることなく就学し、状況を悪化させる場合もあるそうです。  いずれにしても、現行の健診体制では十分ではないような気がします。鳥取県や栃木県では、自治体独自で5歳児健診というのを行っています。厚生労働省の平成18年度研究報告書によると、鳥取県の5歳児健診では9.3%、栃木県では8.2%の子供が発達障害の疑いがあると診断されています。そして、そうした子供の半数以上が3歳児健診では何ら発達上の問題を指摘されていなかったことが報告されています。つまり、3歳では少し早過ぎるのかな、6歳では遅過ぎるというのが現実のようです。  そこで、お伺いいたしますが、静岡市としては、発達障害の早期発見のためにどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。  最後に、ワーク・ライフ・バランス推進の具体的な事業について伺います。  今御説明いただいたように、ワーク・ライフ・バランスを推進していくことの重要性については市としても認識がある、そのように理解できましたが、それでは、具体的な事業について市として行っている事業はどのようなものか、また今後どういう事業を行おうとしているのかお伺いをして2回目を終わります。 7 ◯教育長(西条光洋君) 本年度は具体的にどのような取り組みをするのかというお尋ねにお答えをいたします。  本年度は、文部科学省の委託を受け、各区より児童数700人以上の小学校を2校ずつ選定し、スクールソーシャルワーカーを週1日定期的に派遣しております。小学校を選定したのは、対象となる児童には何よりも早期発見・早期対応が必要であり、症状を進行させないための効果を期待したからであります。スクールソーシャルワーカーは、社会福祉士、児童福祉施設の職員、教職経験者など4名を選任しており、派遣された学校で問題に応じた支援を行っているところでございます。  課題としましては、本事業を定着させるため、児童福祉の専門知識を持った人材の確保などが挙げられます。  以上でございます。 8 ◯保健福祉子ども局長(長田光男君) こんにちは赤ちゃん事業に市はどのように取り組もうとしているのかとの御質問ですが、本市での赤ちゃん訪問については、現在母子手帳に添付された新生児訪問指導連絡票の届けのあった新生児への助産師による訪問を実施しております。さらに、新生児訪問、4カ月児健康診査及び6カ月児育児相談において、未接触、未受診の乳児については保健師が訪問して健康状態や家庭状況について把握するよう努めているところであります。こんにちは赤ちゃん事業については、議員からの説明にもありましたように、法案としては廃案となったものの、次世代育成支援交付金事業としての位置づけがありますので、今後既存の事業との整合などを図り、効果的な事業実施の方法等について検討をしていきたいと考えております。  次に、発達障害児の早期発見対策として、静岡市としてどのような取り組みを行っているのかとの御質問ですが、現在1歳半、3歳児などの乳幼児健診を発達障害の視点を持って実施し、疑いのある乳幼児に対しては保健師が継続的に訪問し、育児支援を行うほか、医療機関、福祉施設、障害児保育を行う保育園など、個々の子供に適した機関と連携をとり、橋渡しを行っております。そのほか、保健福祉センターでは疑いのある乳幼児を対象にした遊びの教室や発達支援健診、心理相談などを通して発達障害児の早期発見に努めております。また、健診に従事する医師、保健師など、専門職の資質の向上を図る必要があることから、今年度より発達障害者支援センターの医師の協力を得て研修を行っていく予定であります。  次に、ワーク・ライフ・バランスの推進についての御質問にお答えいたします。  本年度は、次世代育成支援の視点から仕事と生活の調和について市民に理解していただくことを目的に、ワーク・ライフ・バランス推進事業を実施しております。これは、台本なしの即興劇、プレイバックシアターといいますが、これを通して子育てに関する体験や思いなどを共有し、仕事と生活の調和について理解を進めるという内容になります。事業は全5回の開催を予定しており、対象は第1回と第5回が子育て中の父親、母親、祖父母、子育てに関心のある一般市民、第2回が次世代育成支援にかかわる市職員、第3回、第4回が地域の子育て支援者や企業関係者を予定しております。第1回は6月8日に市民150人の参加をいただき、開催したところであります。このほか、女性会館でのワーク・ライフ・バランスに関する講座や、市と21世紀職業財団との共催による仕事と家庭の両立支援セミナーなども開催される予定となっております。今後もさまざまな分野において仕事と生活の調和の実現を目指した事業を進め、少子化の流れに歯どめがかかるような効果を期待するところであります。  以上でございます。   〔5番馬居喜代子君登壇〕 9 ◯5番(馬居喜代子君) お答えありがとうございました。  今、2回の質問の中でお答えいただいた内容について、意見、要望を述べさせていただきます。  まず、スクールソーシャルワーカーについては、まだまだ手さぐり状態、始まったばかりですけれども、児童生徒一人一人を大切にする大事な事業だと思います。まずは関係者の間でスクールソーシャルワーカーとは一体何なのか、しっかりと認知をしていただいて、うまく活用していけるように、そしてまた専門家の確保が非常に大変だということですけれども、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。  次に、地域子育て支援について。  こんにちは赤ちゃん事業については、今回法律では、先ほど言いましたように規定されませんでしたが、これはとても大切な視点だと思っています。今お答えいただいたように、低体重児ですとか、親から要請があった場合とか、また健診を受けなかった赤ちゃんについては助産師さんあるいは保健師さんが家庭訪問をして追跡調査をしているという、そういうことでしたけれども、できれば全員、欲を言えば全員の家庭を訪問していただきたいというふうに思います。そういうふうな方向で進んでいるとは思いますけれども、確かに家庭から出てきて、赤ちゃんは受診はしたけれども、外から問題なく見えていても、家庭内に非常に問題を抱えているというような場合がたくさんあると思います。実際の子育て環境を実際の目で確かめてきていただきたい、そのことをぜひお願いしたいと思っております。  それから、地域における子育て支援についてですが、実は今、地区社協でS型デイサービスと同じように子育て支援をしている地域がふえてきています。やっていることは、先ほど説明がありました清水区だけで行われている子育てトーク事業、これとほぼ同じ内容のことが行われているわけです。私は時々新通学区の地区社協の皆さんがラペックの和室で行っているいちごクラブのおしゃべりサロンというのにお邪魔をしまして、子供たち、赤ちゃんたちと遊んできますけれども、転勤族のお母さんたちが仲間づくりに利用し、近所のおば様たちが子育ての知恵を皆さんに授けていくというような形で、とてもほのぼのとした活動をしています。世話をする側には1人おじいさんも加わっています。赤ちゃんをだっこしたいというようなことで、皆さん集まっているようです。今、この方たちが実は何に困っているかというと、1回1,830円というラペックの会場費の捻出です。勝手に自発的にやっているのだからといえばそれまでですけれども、せめて市の事業に位置づけて会場費ぐらいは出していただきたいなというふうに思ってしまいます。これは小学校の児童クラブの部屋を午前中2時間だけ貸してほしいということで交渉もしましたけれども、児童クラブの部屋にはさまざまな個人情報もあるということで断られたということでした。また、せっかくの子育て支援がただのおせっかいに終わらないように、これは客観的な目を養うための、面倒を見る側の研修も実は行っていただきたいなということを思っております。この活動について5月の「静岡気分」に、市の事業ではありませんがということで掲載をされまして、ほんの少し掲載をされたんですけれども、そのことで次の回には早速2人のお母さんが新しく参加してくださったということでした。これは、こういう事業こそが求められている証左ではないかと思いました。  私は、総合計画に位置づけられていた子育て応援隊という事業に、初め、期待を寄せておりました。これは市の計画の中から、実はいつの間にか消えていたということがわかりました。ファミリーサポートセンター事業のもっと身近で簡単なものという、そういうふうに理解しておりましたけれども、近所の人にちょっと子供を預かってもらう、あるいは子育てに困ったときにちょっと助けてもらう、悩みを聞いてもらう、そんな人と人、近くの人を結びつけるだけの事業です。ファミリーサポートセンターに登録するまでもなく、近隣の人と人が結びついていくという、そういう事業がなくなったのは非常に残念なことです。しかしながら、実際には今述べたような子育て支援の草の根の事業があらわれてきております。こういう自発的な活動を行政がそっと後押しをすることから、それぞれの地域に合った子育て支援のシステムづくりの糸口が見えてくるのではないかと思っております。今、清水で行われている子育てトーク事業を全市的に広げていきたいというようなお話もありましたので、ぜひそこのところは検討していただきたいと思います。  最後に、ワーク・ライフ・バランスについて。  ワーク・ライフ・バランスとは、これは確認ですけれども、仕事、家庭生活、地域活動、個人の自己啓発など、さまざまな活動を自分の望むようなバランスで実現できる状態ということです。そして、これは男性も女性も、また、あらゆる世代の人のためのものということです。決して子育て期の女性のためだけのワーク・ライフ・バランスではありません。すべての世代の人が仕事と自身の家庭生活を調和させていく、そのために働き方の見直しをみんなでしていこう、その先にこそ本当の意味での男女共同参画社会があるということです。しかし、それにしては、実は今回お答えいただいたのは保健福祉子ども局長ということで、なぜだろうということです。つまり、子育て支援に関することしか、多分当局の中では頭になかったということが現実です。  保健福祉子ども局でしっかりと今取り組んでくださっていまして、先ほどお答えがありましたけれども、私、6月8日にアイセル21で行われたパパとママの子育て交流会に参加させてもらいました。上川大臣があいさつをして、ワーク・ライフ・バランスについてしっかりと訴えていただいたその後で、劇団プレイバッカーズという方々のプレイバックシアターという即興劇を初めて体験させてもらいました。その中で、若い人たちの意識が随分変わってきているなというふうに思いました。パパもママも子育てに参加したい、子育ては今しかできない、だから仕事を変えたというパパもいました。子供が生まれても仕事を続けたいと悩んだ挙げ句に、育児休業をとり、仕事を休んで、子供が大きくなってまた職場に復帰し、結局これもよかったなと思っているというお母さん、まさにみんなそれぞれの立場で仕事と生活の調和を模索しているんだなということを実感としてわかりました。ワーク・ライフ・バランスというのは、だれか特定の人たちの問題ではありません。これは、大きな国民運動にしていかなければ意味のないものだと思っております。働き方の見直しというのが大きなテーマであるならば、これは経済局の商業労政課あたりで、そしてこれが男女共同参画社会を目指すものであるということがはっきりしているわけですので、できれば男女共同参画課などから明確な答弁があってしかるべきかなと思っておりました。  いずれにしても、これから市を挙げてワーク・ライフ・バランスの実現に向けてぜひ取り組んでいただきたい。子育て支援だけの問題ではないんだよということをぜひ訴えておきたいと思います。これからまた全市的にワーク・ライフ・バランスに向けて、これは全員で取り組んでいくことだということをぜひ確認をしていただきまして、そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 10 ◯議長(城内 里君) 次に、中山道晴君。   〔26番中山道晴君登壇〕 11 ◯26番(中山道晴君) それでは、通告に従いまして、産業政策と市民活動について質問いたします。  最初に、産業政策でございます。これは、皆さん方、働く場の話でございますから、しっかり聞いてください。  まず、2007年のものづくり白書によりますと、我が国の景気、これは2002年以降回復傾向が続きまして、2006年ですね、2年前になりますけれども、我が国の製造業については輸出が好調です。そして、生産が堅調な伸びを見せるとともに、円安の影響により為替差益の発生やリストラの完了、債務の圧縮、事業の統廃合による設備の集約化の進展などを受けて、好調な企業業績を達成しました。そして、それを背景に、設備投資を伸ばして、さらに収益を伸ばすという好循環が生まれています。鉱工業生産指数は過去最高の水準を示しました。  業種別に見ますと、自動車を中心とした輸送機械工業は大幅な生産増加、電子部品・デバイス工業もデジタル家電の需要増を受けて大きく伸びております。また、鉄鋼業や一般機械工業、電気機械工業も堅調に推移しています。  一時期経済のグローバル化によりまして生産拠点を海外に移し、国内の産業空洞化が顕著でありましたが、ここへ来て海外と国内の機能分担を明確にしてきております。国内をマザー工場として機能強化が打ち出されています。すなわち、我が国の製造業が国際的に競争力を持ち続けた大きな要因は、革新的な技術の開発により新たな製品や新規事業を創出するとともに、その効果を当該の業界のみならず多くの関連分野に波及させてきたことによるものです。国内においては、国内向け生産と、そして研究開発を強化して、海外は生産工場というような位置づけになってきているわけです。  また、2005年以降の新規設備投資の例を見ましても、このものづくり白書の資料をお配りしておりますけれども、100億円以上の大規模な投資が相次いでいるわけです。特に、北九州ではトヨタ、ダイハツ、デンソー、それから静岡にあります小糸製作所なんかも行っているわけです。大分のキャノン、そして静岡においてはスズキの相良工場、これが大きな投資をしているわけです。その地域については雇用が生まれて活気が物すごい勢いで伸びているということでございます。  一方、本市の産業経済の現況は、静岡市の企業立地戦略指針に示されたとおり、製造業は工場移転が相次ぎ、製造品出荷額が過去10年で20%減少し、低迷状況にあるといいます。大きな企業の少ない静岡市においては、今の製造業の生き残りをかけた経営方針の流れを考えると、やむを得ない点があります。特に、自動車産業においては東アジアの中心となる北九州、ここを中心にして輸出、そして国内を見合わすと。こういう意味で、こちらに移転してきたわけでございますね。そういうことでございます。  打開策としまして、市では技術先端型企業の誘致を積極的に推進していますが、かなり大変な作業でございます。今回の質問では、大企業は経営資源としての金や人材が大変豊富で、グローバル経済での事業経営において大変リスクもあるんですけれども、工場の統廃合や研究開発、海外などへの先を見た投資もできます。中小製造業は大企業のサポート企業としての位置づけになっておりますので、サポートインダストリーと呼ばれておりますけれども、大企業の統廃合、移転といった大きな経営転換についていかなければならない企業であります。今回のテーマは、市の中小製造業に対する施策についてであります。大企業のサポート企業に対する要求というのは、品質、コスト、納期、環境などなど年々厳しくなっております。中小企業の競争力をどのようにして上げるかが経営者の課題でもあり、行政としても産業集積を誘導するための工業団地を整備したり、知的基盤の整備に専門大学や研究開発型企業を誘致したり、経営安定化のための融資をしたりと、いろいろな施策を打ってきているわけです。  企業として生き残るための一つの方向は、どの企業にもない製品・技術を持つオンリーワン企業になることであります。大企業に一目を置かれる技術に裏づけられた製品は、国内だけでなく海外においても十分生き残れるわけであります。  そこで、質問いたします。  中小製造業への支援策について、オンリーワン企業の育成のため、これまでどのような対策を、支援策を講じてきましたか。そして、それによる効果はどのようなものがありましたか。また、その効果をさらに高めるための今後の方策についてどのように考えるのかお聞きします。  次に、中小企業の競争力強化として、他者差別化を図る技術力、これが一番大事である、こういうふうに考えますけれども、技術開発力の向上のためにどのような支援を行っているのか、また今後のさらなる支援についてどう考えているのかをお聞きしたいと思います。  それから次に、人手を多くかけられない、また幅広いネットワークを持たない中小製造業にとっては営業というのは大変弱い分野でございます。この新製品の、せっかくつくった新製品の販路拡大についてどのような支援を行っていますか。また、今後のさらなる支援についてどう考えておりますか、お聞きしたいと思います。  そして次に、中小企業にとって優秀な人材の確保、これは大きな課題になっています。大手企業では少子化の中、団塊世代、我々なんですけれども、これが大量退職します。これを見越して、最近の企業業績の良さを受けて、新入社員、これを大量に雇用し始めています。中小企業にとっては、さらに厳しいわけですね、人材確保が。特に、企画部門や管理部門──製造部門は必然的になければ物をつくれませんから、いるんですけれども、それをサポートする企画とか管理、こういうところに非常に人手が足りないのが中小製造業です。  この中小製造業への支援として、私は企業で培った技術、知識、開発経験などを持つ企業のOB、これをフルに活用するのが一番よいのだというふうに思うわけです。ただ、OBですから、ずっといるというわけではなくて、パートとか一時的にとか、こういうような使い方をするわけなんですけれども、この中小企業に対して企業OBを活用しての支援、これが非常に有効だと思いますけれども、どう考えていますか、お聞きしたいと思います。  きのう、牧田議員の質問の中で清水港ビジョンにおいて三保地区に海洋資源の活用関連の企業誘致の話がありました。既存の工業団地の整備について、我々も誘致の話をお聞きしますと、あきが出たら企業誘致を進めるよというような回答でございます。大変産業界のスピードというのを考えますと、これは遅いというふうに考えるわけです。産業基盤の構築や集積に対するビジョンを早くつくって実行に移さないと、これからガソリンも上がって、さらに厳しい製造業の世界でこれからの投資も薄くなるんじゃないかというふうに心配しているわけでございますけれども、企業立地戦略指針に基づいて今後どのような業種をどのような場所に誘致しようと考えているのかお聞かせ願いたいと思います。  それから、ものづくり産業に携わる人材育成策についてです。  製造業において、競争力の源泉は人材です。人です。しかし、人材育成になかなか時間をかけられないのが、また中小製造業なんです。忙しくて教育に出せない、こういうことですね。また、製造に必要な国家資格等の取得についても、非常にお金もかかるし、時間もかかる。  そこで、お聞きしますけれども、中小企業の企業内人材育成についてどのような支援策を講じていますか。また、今後の展開をどのように考えているかお聞かせ願いたい。  そして、ものづくり産業というのは、やっぱり物をつくっている人の技能、技術、これが一番重要で、技能の伝承というのはまた重要な課題になっています。各地域ではマイスター制度というのを掲げて、技能者の社会的価値を上げる、こういう取り組みがされています。市において技能者に対する顕彰制度にはどのようなものがあるかお聞かせください。  次に、国際ビジネス展開への支援策です。  グローバル経済下では製造業は生き残りをかけて、内需、内需がだめなら外需と、こういうことで販路とか生産を広げてきました。非常に自動車関係、電気関係、これ、成功しておりますけれども、中小の製造業も大企業の後を追って海外に十数年前には事業展開を図っていきました。しかしながら、非常に多くの困難さと課題がありまして、ほとんどというか、私の知っている限りの中ではかなりの企業が戻ってきてしまう、撤退を余儀なくされている。サポート企業として海外進出には難しい点があるように思われます。ただ、先ほど言いましたように、オンリーワン製品については海外からも引き合いが来る。また、富士山静岡空港も開港して、小回りのきく中小企業にとってはメリットになるんですね。ですから、国際ビジネスにおいても、オンリーワン製品をもって打って出るということは大いに考えられるということで、国際ビジネス展開への支援策にはどのようなものがあるか、また今後の支援の充実についてどう考えているのかお聞きします。  最後に、子供たちのことです。  ものづくり、自動車とか冷蔵庫とか、あるいはエアコンとか、そういう物をつくっている産業に、皆さん、子供たちもぜひとも働きたいなと、そういう環境づくりを今いろいろなところでやられています。科学館でも科学セミナーあるいはものづくり体験、いろいろやっております。それでは、小中学校ではものづくりへの関心を高めさせるためにどのような取り組みをしているかお聞きして、1回目の質問といたします。 12 ◯経済局長(熱川 裕君) まず、中小製造業の支援策ということで、オンリーワン企業の育成のための支援策に関する御質問にお答えします。  オンリーワン企業は、中小企業経営者並びに行政にとって目指すべき最高の目標であると考えております。しかし、人材、設備、資金ともに乏しい中小企業が自社独自に技術、商品サービスなどを見出し、磨き上げるのは困難であるため、産学交流センターや本市が主催して経営戦略に関する講座、最先端技術の情報提供、経営技術等の相談、マーケティング支援、産学連携共同研究支援、知的財産権の取得支援など、多角的な支援を実施しております。  具体的な成果といたしましては、地場産業の新製品開発や光触媒に関する特許の取得などを支援したほか、「静岡発!ランデヴープロジェクト」では開発製品がサライ大賞等を授賞するとともに、プロジェクトも新日本様式100選に選ばれるなど、消費者やデザイン関係者から高い評価を得ております。今後は、これらの成果を踏まえつつ、企業のブランド化や知的財産権の取得支援に取り組むほか、環境、健康などの社会的ニーズに対応できる新商品の開発等を支援し、オンリーワン企業の育成に取り組みたいと考えております。  続きまして、技術開発力の向上のための支援に関する御質問にお答えします。  本市では、中小企業の技術開発力の向上を支援するため、新技術の情報提供を目的とした産学官交流会を実施するほか、産学交流センターに産学連携コーディネーターを、中小企業支援センターに技術系のサブマネージャーを配置し、技術的な指導を行うとともに、より高度で専門的な要求に対しては県の産業支援機関、しずおか産業創造機構への橋渡しや産学連携のコーディネート、国、県の研究開発補助金の取得支援などを実施しております。そのほか、意欲のある民間企業や大学で組織するしみず新産業開発振興機構や駿河湾地域新事業推進研究会の活動を支援することにより、大学の持っている研究素材を生かした新産業創出を推進しております。今後は、従来の支援策を継続するとともに、本市に集積する健康食品産業など、すぐれた地域資源やポテンシャルを有する産業の技術開発力を高めるため、県との連携のもと、支援を集中的に実施していく必要があると考えております。  続きまして、新製品の販路拡大に関する御質問にお答えをいたします。  新製品も含め、新市場や販路の開拓を目的として展示会等に出展または開催をする事業に対して、大規模展示会出展等支援事業や地域産業展示会開催等支援事業により、出展経費等の一部を助成しております。具体的には、東京ビッグサイトで行われているジャパン・インターナショナル・ギフト・ショーや国際福祉機器展等への出展、ツインメッセ静岡で行われる静岡家具メッセや静岡履物見本市等へ助成をしております。毎年、利用企業も多く、順調に推移していることから、今後は積極的に中小企業のニーズの把握と事業のPRに努め、事業の拡大を図るとともに、より多くの事業者等に利用していただくよう支援していきたいと考えております。  続きまして、競争力強化に対する支援について、企業OBを活用しての支援が有効だと考えるがどうかという御質問にお答えします。  本市の産業支援機関である産学交流センター及び中小企業支援センターにおいては、既に企業OBを活用した企業支援を実施しております。今後、製造に関する知識や技術を有する団塊の世代が一斉に退職し、各企業において技術伝承が課題となっていることから、本市の産業支援においてもこれらの人材が有する知識や技術を活用する支援策がますます必要になってくるものと考えております。  次に、企業立地戦略指針に基づき、今後どのような業種をどのような場所に誘致しようと考えているのかとの御質問でございますが、企業立地戦略指針では本市が重点的に立地を推進する5つの産業分野とこれらの産業の立地特性を踏まえた立地方針など、本市の目指す産業集積の大枠を定めております。今後は、企業立地促進法に基づき、静岡県とともに経済団体などから成る地域産業活性化協議会を設置し、指針で示した方向性を踏まえた基本計画を策定し、官民一体となった企業立地を推進していきたいと考えております。本市に集積すべき業種、集積地域などはこの基本計画策定の中で絞り込んでいきたいと考えております。  続きまして、企業内人材育成についての御質問にお答えをいたします。  企業内の人材育成に関する支援策としましては、産学交流センターにおいて中小企業の経営者や従業員を対象に経営戦略やビジネススキル向上などに関するビジネス支援講座を実施しております。今後、経済のグローバル化がより一層推進し、中小企業においても経営に関する高度で専門的な知識や国際感覚が求められると考えることから、産学交流センターに法政大学や地元の大学の運営する経営系の大学院の受け入れを検討するなど、将来の本市産業界をリードする人材を育成する環境の整備に取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、技能者に対する顕彰制度にはどのようなものがあるかとの御質問でございますが、産業の向上に寄与し、または功績のあった技能者を対象として、平成17年度に静岡市技能功労者表彰制度を創設いたしました。これは、55の業種の技能者を対象に同一の技能職に30年以上従事している60歳以上の方で、技能の研さん、後進の指導育成に努め、すぐれた技能を有している方を表彰しているものであり、現在までに88名の方が表彰されております。そのほか、伝統工芸の技術保存と後継者育成を図ることを目的として、静岡市伝統工芸技術秀士の顕彰制度があり、昭和50年に創設され、現在までに48名が指定されております。伝統工芸技術秀士は、伝統工芸品産業に長年従事する技術者のうちから特に優秀な技術を有し、その技術の伝承と産業の発展に功績が顕著であった方を指定しております。
     次に、国際ビジネス展開への支援策に関する御質問にお答えをいたします。  中小企業の海外展開の支援策といたしましては、大規模展示会出展等支援事業の中で海外の見本市や展示会への出展企業に対し助成を行っております。過去3年間で中国やドイツでの展示会への出展企業に対して、5件の補助金の交付を行ったところでございます。また、本市が支援するコンテンツバレー推進コンソーシアムにおいては、ヨーロッパ市場への進出をねらって著名な海外のデザイナーと地元メーカーとの新商品開発を推進しているほか、クリエーター支援センターではコンテンツ産業の振興に積極的なシンガポールとのビジネス交流を目指して、今年度シンガポールのデザイナー集団による展覧会を計画しております。今後、アジアの台頭や経済のグローバル化が急速に進展すると考えられているため、地元企業の海外展開に対する支援策をさらに拡充できるよう検討していきたいと考えております。  以上でございます。 13 ◯教育長(西条光洋君) 小学校でのものづくりへの関心を高めるための取り組みについてお答えをいたします。  子供たちのものづくりへの関心を高めるためには、小さなときから働く人のすぐれた技術やものづくりにかける熱意を身近に感じさせることが大切であります。そこで、小学校では社会科の工場見学や駿府匠宿での体験などを通して、産業を支える人たちの工夫や努力を学べるようにしております。また、中学校の技術家庭科では身の回りで使う製品の設計や製作などを通して技術の習得を図り、ものづくりへの関心を高めるとともに、将来の進路指導にも生かしております。  一方、教育委員会ではこうした事業を支援するために、静岡市と関係の深いさまざまな分野の専門家に学校で授業をしていただくスペシャリスト派遣事業や地場産業などに携わる方を学校に招いて授業を行う民間教育力活用事業を通して、学校を支援しております。また、勤労観や職業観などを養うため、中学生を対象に職場体験学習推進事業を実施しており、子供たちは実際に仕事を体験する中でものづくりへの関心を高めております。今後も御協力をいただいているNPOを初め、地域の方々の御支援を受けながら事業の一層の充実を図ってまいります。  以上でございます。   〔26番中山道晴君登壇〕 14 ◯26番(中山道晴君) るる御回答をいただきましたけれども、従来からやられている施策でございまして、私としては本当にちょっと突っ込みが足りないなというふうに思っている次第でございます。企業OBの活用にしても、開発支援にしても、県とか市においてメニューはそろえてあります。それなりの効果も出ていると思いますけれども、根本的に実効性という点で行政の支援のほとんどが受け身なんですよね。大体メニューを持ってて、来てくださいよ、使ってくださいよと、こういう姿勢なんですよね。公と民間の違いというのは、受け身と攻めというような違いだと思うんですよね。だから、企業OBの活用についてもコンサルタントの派遣など、いろいろやってるんですけども、これもいいんですけども、本来はもっと自発的に民間の力を起こさせるために産業支援型のNPOをもっとたくさんつくらせて民間の活力を存分に発揮させる、こんなような施策をやっぱり打っていかないと変わってこないんじゃないかな、こんなふうに思うわけです。みずからが営業どりに行くという攻めの支援を進めてくれるのではないか、こんなふうに思っておるわけです。  環境局で行っている地球温暖化防止対策として、ISO14000ではコストが非常に大きい、高いんで、環境省が勧めている低負担でやる、ISO14000の10分の1で取得できるエコアクション21の認証制度取得事業というのをやっているんですよ。中小製造業の競争力強化、大きな企業については、必ずサポート企業としてはそういうような資格を持ってないと、なかなか参入できない。そういう中において、そういう環境省が勧めているような認証制度、これは環境のもう認知された制度ですけども、こういうのをしっかりととらせるという事業なんです。まだ環境局の事業では何回かセミナーをやって、来てくださいよ、たくさん来てくださいと。4回か5回イニシアチブで教えます。だけど、実際にとるのはおたくらの勝手ですよと、こんな感じになっちゃうわけですね。そうじゃなくて、もっと実際の現場にどっぷりつかって認証まで、最後まで面倒を見るというような支援をつくっていかないと、中小企業としてはちょっと苦しいんじゃないかというふうに思うわけです。  それから、自動車産業の立地が進む北九州だと、先ほど見ましたように、いろいろな企業が自動車産業が参入、来ているわけですね。それに対して、きちっと大手の企業の自動車産業に地元の企業が入れるような、そういう支援強化をやっているわけですよ。だから、自動車メーカーの技術者を派遣して、橋渡しになって、それで現場指導とか、それから実践的な技術習得、こういうことをやらせるわけなんですけども、そういうように助成するという、これ1つ見ても、非常に具体的できめ細かな、まさしく必要となるところに攻めていっているというような気がするわけなんで、これからの経済局の頑張りにぜひとも期待したいなと、こんなふうに思うわけです。  続いて、2つ目のテーマになります。  市民との協働事業推進について質問します。  きのう、牧田議員の質問で市民活動促進基本計画についてと同じテーマなんですけども、重複しないような質問をさせていただきたいと思います。  これまで日本は経済成長によって貧困など、さまざまな問題が、経済が大きくなれば貧困はなくなるよと、こんなような感じで発展し続けてきたわけです。しかし、もう環境とか資源面で、まさしくガソリンとか木材とか、いろいろな面で限界が来ている。それで、需要の量的な拡大、これについてはもう飽和してくる。そして、貧困、格差、こういうのが拡大してきて、非常に今までやってきた路線の弊害が顕著になり始めているわけですね。そのような社会のあり方を今後も持続していくというのは、もう普通に考えても無理なわけですね。南の島では沈んでしまうというような、こういうこともあるわけでございまして、環境と福祉、この両立した持続可能な社会を築くためにはどのような社会が望ましいか模索中であるわけなんですけども、1つには先ほど馬居議員からの質問にありました仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランス、これが社会全体のあるべき姿、目標として、そういうふうな取り組みが今進められている段階になっているわけですね。そして、量的な拡大を基本的な価値にしない。変化しないものに価値を置くという、そういうような社会になってくるんじゃないかと。すなわち、時間の消費が中心になる。余裕のある時間がたくさんある人のほうが幸せだなと、こういうような社会。ですから、労働界でも労働生産性、非常に速くつくって新製品もつくる、そういう労働生産性の上昇、これを従来は所得の増加に当ててたんですけども、そうでなくて労働時間の削減で対応するという、こんな考えなわけです。余裕の出た時間を有効に使うことに価値を見出す社会、このような社会ではおのずと分権社会になって、市場経済への興味から、コミュニティや自然にかかわる高次のニーズや要求に向かって、これらの担い手としてNPO、コミュニティビジネス等の展開が進んで、コミュニティの中心、みんなが集まるところ、こういう視点が必要になってきております。コミュニティの中心となる候補としては、神社があったり、お寺があったり、学校であったり、福祉医療施設だったり、商店街だったり、きのうの栗田議員のまちの駅も全く同じ考え方であります。私も、将来はこのように市民が自発的に参加してまちづくりを進めるという社会が理想だというふうには思うんです。  そこで、市民活動促進基本計画の理念、今説明したような社会をつくり上げるための施策なのか、それとも単に行政の多岐にわたる市民ニーズに対して低コストで対応させようとするものなのか。高邁な理念のもとに策定され、市民活動促進を積極的に推進しようとするならば、市民活動と言える活動、今まで皆さんがやられている町内会、老人会、民生委員、消防団、地区福祉協議会、PTA、NPO、多々ある大きな組織から小さい組織まで、対象は物すごい幅広くなるわけです。それに対して施策を打つというのはかなり難しいわけで、この市民活動促進基本計画ではどのあたりまでを対象として進めようとしているのかお聞かせ願いたいと思います。うたい文句としては、大変すばらしいんですけども、地域の現状を見ますと、町内会とか老人会では高齢化が問題です。お年寄りが、もう80もずっとやっているということで困っていますし、きのうも牧田議員のほうから市の職員がやったらどうだと、こういうような話もあったんですけども、地区福祉協議会の組織なんかでは町内会、民生委員、ボランティア、PTA、みんな同じなんですね。同じ方が活動している。言うなら、いつも同じメンバーであるわけです。この方々にさらなる負担を強いる、この計画で。こういうことを心配しているわけでございます。  さらに、NPOの現実もそうです。NPO設立者の高い意識に支えられて活動されてはおりますけども、活動範囲がどんどん広がり、これもやってくれ、あれもやってくれ、わかりました、わかりましたってやっていることで、そのNPOに従事している方は、ほとんど時間がありませんという状況です。また、設立そこそこのNPOというのは、先ほども話にありました、馬居さんから出た運営コスト、非常に悩んでいるわけですね。無償のボランティア活動というのは、持続性において非常に問題がある。このような悩みを抱えながら高い意識で活動しているのが実態でございますので、市民活動への支援策についてお聞きします。  以上、2回目の質問でございます。 15 ◯生活文化局長(古屋光晴君) 市民との協働事業推進について、2点の御質問にお答えいたします。  まず、市民活動促進の基本理念と対象についてでございます。  市民活動は、市民が福祉や環境、子育て、文化、まちづくり、国際交流など地域のさまざまな問題の解決に営利を目的としないで自分の意思で取り組む活動でございます。その参加の形にはボランティアやNPOがございます。本市では、市民活動の基本理念として、4つを掲げまして、平成19年4月から施行しました市民活動の促進に関する条例に規定しております。  1つ目は、国及び地方公共団体の活動又は営利を目的とした活動によっては解決できない社会的課題を解決する役割を果たすものであること。2つ目は、市民が対話を通じて、相互に価値観を尊重し行うものであること。3つ目は、人種、信条、性別、年齢及び社会的・身体的状況等が多様な市民の参画によって、みずから意見を述べる意思又は機会のない者が抱える問題を取り上げ、見過ごされやすい社会的課題の解決に貢献するものであること。4つ目は、参画した個人自身に精神的充実及び人間的成長をもたらすものであることでございます。このような基本理念をもとに、市民が協働を通して、よりよいまちづくりに主体的・積極的に参画する市民都市静岡市を目指しているところでございます。  なお、促進の対象といたしましては、NPO法人やボランティア団体のほか、個人によるボランティア活動あるいは企業、地縁団体による市民団体などがあります。  2つ目は、市民活動についての支援策についてでございます。  本市では、市民活動の促進に関する条例に基づきまして市民活動の促進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、本年3月に市民活動促進基本計画を策定いたしました。この計画では、4年後の平成23年度末における4つの指標を設けました。1つ目は市内のボランティアに参加する人数を1万1,000人とすること、2つ目は常勤有給スタッフ1人以上の市民活動団体数を110団体にすること、3つ目はNPO法人数を300法人にすること、4つ目は協働事業数を150事業にするというものです。これらの指標を実現するため、市民活動への参加の促進、市民活動の自立を支える環境づくり、協働事業の促進、促進体制等の整備という4つの柱に施策を区分しまして、市民活動センターの整備や協働事業提案制度の充実など、それぞれの市民活動の支援のための事業を実施しています。  以上でございます。   〔26番中山道晴君登壇〕 16 ◯26番(中山道晴君) 3回目になります。  今、市民活動促進計画の理念と対象について、また支援策をお聞きしました。対象については、一般的でボランティアとかNPOとか言われておるんですけども、従来皆さんがやられているような町内会、老人会、地区福祉協議会、こういうのも全部、PTAとか体育振興会など、さまざまな活動も入ることは入るようなんですけども、ちょっと明確でない。ボランティアなんかもボランティア保険に入ってた人を幾らにするとか、そんなような感じですから、ちょっと対象が不明確かなというふうに見えるわけで、この辺は実際の活動を進める上ではもう少し明確にしたほうがいいかなと、こんなふうに思うわけです。そして、NPOを初め、市民活動にやっぱり足を運ぶ団体に何か限定してきているようにも見えるわけで、やっぱり清水の市民活動センター、あるいは今度一番町小学校の跡にもできる市民活動センター、こういうところに足を運ぶ人たちに対しての支援というようなイメージかなというふうに思ったわけで、もう少しほかにも活動している人を拾い集めるような施策も必要じゃないかなというふうに思ったわけでございます。  それから、市民活動センターができますけれども、それじゃ、これから市民活動センター、清水に1つ、葵区に1つでございますので、もう1つ県の、ありますよね、市民活動センターが。ありますので、葵区に2つというようなことになりますけれども、今後の市民活動センターの事業とか整備状況についてちょっと聞いておきたいなというふうに思うわけです。  それから、この計画では市民との協働事業を進めておるんですけども、どんな事業が協働事業になるのか、ちょっとわかりにくいですね。言うなれば、老人会なんかでもいろいろな取り組みをされているし、そういうのもなるのかなとかいうわけですね。それから、協働市場と協働パイロット事業というのがあるんですけども、協働市場と協働パイロット、どう違うのか。こういう協働を推進するのにパイロット事業を募集するというのもちょっと合わないかなと。私ならば、やっぱり足りないところ、どこかに問題があるところにこういうのを協働でやろうというスタンスがあって、そこに働きかけて、パイロットなんて言わないで、その事業を進める、広める、こんなようなほうがいいのかなというふうに思っているわけで、協働市場と協働パイロット事業についてちょっとお聞かせ願いたいと思います。  市民との協働事業推進については、既存団体を含めた市民活動のあり方、これをもう少し精査する必要があると思われます。すなわち、老人会、町内会のお年寄りが多い、やる人がいない、いつも同じ人、こんなところですね。それから、時間に余裕のつくれない層がまだまだ多い現状、ワーキングプアとか言われていますけれども、貧困層が多い。こういう中においてワーク・ライフ・バランスとか市民活動を進めるというのには実情を、現状をもう少し認識して、一つ一つ環境整備が必要かなというふうに思います。  また、頑張ってやっていただきたいと、こんなふうに思うわけでございまして、以上ですべての質問を終わります。 17 ◯生活文化局長(古屋光晴君) お答えいたします。  まず、市民活動センターの事業と整備状況についてでございます。  市民活動の拠点となります市民活動センターにつきましては、平成18年10月、清水区港町に清水市民活動センターを開館いたしております。現在、静岡マニフェスト2007にありますように、旧一番町小学校舎を利用しまして新たな市民活動センターを平成21年10月に開館させるため、改修工事の準備を進めているところでございます。清水市民活動センターは、NPO法人清水ネットを指定管理者としまして、市民活動の場の提供のほか、相談業務、各種の人材養成講座、交流事業などの事業に取り組んでおりまして、平成19年度の利用者は延べ1,078団体、7,688名となっております。新たな市民活動センターにつきましても、清水市民活動センターと同様な機能を予定しております。  次に、協働市場と協働パイロット事業についてお答えいたします。  市民活動協働市場というのは、市民活動団体と市が相互に提案を行いまして、協働事業を創出する仕組みでございます。採用されました事業は、労力、費用、ノウハウの提供など、必要な役割を市民活動団体と市が適正に分担し合い、より効果的な実現を図っております。平成17年7月の施行から現在までに市民活動団体から市への提案としては、7件の応募がありまして、3件の協働事業が実現いたしております。協働パイロット事業というのは、他のモデルとなるような協働事例の創出と協働のノウハウの習得を目的として、あらかじめ決められた予算の範囲内で協働事業提案を募る事業でございます。平成16年度以降、毎年度で2件を募集してきましたが、今年度は4件を募集したところ、13件の応募がありました。今後はより多くの協働事業が実現するよう、募集条件の改善や企画提案に関する相談の充実、PRの強化などに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 18 ◯議長(城内 里君) 次に、浅場 武君。   〔13番浅場 武君登壇〕 19 ◯13番(浅場 武君) それでは、通告に従いまして、1回目に環境対策と安倍川について質問いたします。  まず初めに、環境対策であります。  CO2削減計画についてお伺いいたします。  本市では、環境の保全に関する施策を計画的に推進するため、平成18年に静岡市環境基本計画を策定しております。その基本目標の1つである地球環境の保全への積極的な取り組みの中で、CO2の削減を具体化する行動計画として、本年3月に温暖化対策地域推進計画、「やらざあ静岡!温暖化防止大作戦」が策定されました。折しも、この7月には洞爺湖でサミットが開催され、地球温暖化問題が中心議論となることもあり、マスコミでは連日のごとく温室効果ガスによる地球の将来の危機が叫ばれており、地球温暖化対策は急務として実効性のある取り組みが求められ、また語られ始めております。  温暖化防止大作戦では、温室効果ガスの削減目標の設定に当たり、将来2010年までの推計として、新たな対策を講じなくても今までの努力をそのまま継続していけば、総排出量は減少するものの、CO2の排出量は基準年度から約15%増加すると予測されております。本市の場合、温室効果ガスの大部分を占めるCO2について、京都議定書に盛り込まれた削減目標と同じく平成22年までに6%を削減するとの目標を立てております。具体的な取り組みとして、「ストップ温暖化!100万人参加プロジェクト」を初め、静岡版もったいない運動、サイクルシティ・しずおかの推進、新エネルギーの普及、しずおか森づくりプロジェクトなど、静岡独自の取り組みを含め、積極的に事業展開を予定し、また実行に移しております。高い目標値を掲げても、単に計画に終わらせるだけでなく、その実効性とその効果が問われることから、東京都は実効性を担保するため、目標数値を達成できない事業所等には達成した他の事業所から排出量を購入させる方法や、導入システムや購入品目まで助成制度など、幾つか行うための誘導策を今年度中に条例化しようとしております。大都市などは協調できる事業所や財源が多いことから誘導策の検討はしやすいと思われますが、地方都市においては事業の実効性を担保していくのには相当な誘導策や財源が必要ではないかと予想されますが、本市が掲げた削減目標の目的達成の可能性についてどのように考えているのかお伺いいたします。  次に、森林によるCO2の削減対策についてでありますが、本市の市域面積の約8割を占める森林資源は、排出されるCO2をより多く吸収するためには重要な要素であります。京都議定書でも森林によるCO2吸収量そのものを削減の目標を達成する方策の1つとして算定しておりまして、本市の場合にあっては、その役割は相当大きいものと思われます。  6月9日の福田首相談話の中でも、7月の洞爺湖サミットに向けて2020年から30年ごろまでの温室効果ガス削減の中期目標に関して、2020年までに14%の削減が可能であると試算を示し、ガスの排出枠を企業間で取引する排出量取引制度についてもことし秋には試行的に実施し、実験を開始すると、国内でも導入する考え方を表明しました。  また、政府が7月の洞爺湖サミットまでに選定する全国10都市の環境モデル都市に、本市も静岡モデル低炭素型コンパクトシティとして「都市と森林のリンケージによるカーボンオフセット創造都市しずおか」の提案書を提出したと新聞報道がなされておりました。その取り組みの中には、都市地域に限らず、市外を含めた人的、経済的な価値を中山間地に導き、都市と森林のリンケージを構築して、森林によるCO2の削減の吸収効果を最大限に図る取り組みも明記されております。  ことし4月に、長野県の伊那市の南アルプス世界自然遺産登録推進協議会総会に出席させていただきました。伊那市担当者から、江戸時代の高遠城主の江戸藩邸が新宿区にあった縁で、ことし2月に区民による自然林を活用した区民による森の整備や自然体験学習を検討するために、地球環境保全協定を締結したと話を聞きました。また、世田谷区は区民健康づくり事業として、群馬県川場村と20年前から区民健康村相互協力協定を締結し、平成4年には縁組協定、友好の森事業を協定し、都市と地域の交流事業をスタートさせております。当初の目的は異なっておりましても、結果的にはこれがカーボンオフセットとしてCO2削減効果の方向へと発展する可能性もあります。カーボンオフセットは排出量取引が現在ではまだ認知されていないということでありますが、都市との提携ではCO2の取り組みを行いながら、首都圏の住民との交流の場や企業と連携が限りなく広がることも期待されます。そこで、計画書に記載されている市域のうち、森林の持つ削減量がどの程度あるのか、また森林を使ったカーボンオフセットについてどのように考えているかお聞かせ願いたいと思います。  次に、新エネルギーの導入についてお伺いいたします。  推進計画書には、CO2の削減可能性について、石油代替エネルギーとしての投資に対する経済性という課題はあるものの、本市における利用が可能な方法として検討されております。既に、新エネルギーとして中島処理場の風力発電、廃棄物処理場の焼却熱利用、各公共施設における太陽熱利用などの取り組みも積極的に実施されております。特に、中島浄化センターに設置された風力発電、風電君は新幹線からも東名高速道路からもよく見え、海岸線に凛として建つ姿は、環境対策に取り組む宣伝効果としては最も効率的な施設であります。市民の中には、安倍川対岸にもう1基ぐらいは欲しいとの声もある反面、暴風雨の海からの風に耐えられるのか、いや、なぎの日が多く、風車が余り回っていない、効果は余りないのではと声があります。  そこで、設置して今日まで風電君の効果についてどのようにとらえているのかお伺いいたします。  また、推進計画の中では本市は日照時間が長く、平野部を中心に日照量が豊富であることから、太陽エネルギーの導入有効度が最も高いとされています。太陽光発電を普及させるための施策について、どのように考えているのかお聞かせ願いたいと思います。  続きまして、安倍川についてお伺いいたします。  興津川は全国で一番早く5月にアユ漁が解禁になります。6月1日は安倍川を初め、全国一斉にアユ漁が解禁になりました。多くの釣り人が夜中から河川敷に陣取り、ことしの釣果を期待しながら、夜明けとともに一斉にさおを出します。釣り師にとっては1年の初めの一大イベントであります。これから夏にかけて、あちこちの河川で川を楽しみさまざまなスポーツやレクリエーションを楽しむ多くの姿が見られます。2006年には国土交通省の水質結果では、全国9つの河川と一緒に清流としての日本一の評価をいただきました。また、ことしに入り、清流条例の制定、清流の都・静岡創造推進協議会の設立、住民グループ安倍川フォーラムの活動、NPO法人「水の国」しずおかフォーラムによる流木まつりなど、行政、事業者、市民の協働による活動が評価されて、国土交通省が新たに定めた平成の名水100選にも選ばれました。まさに、市民が誇れる、市民にとって母なる川であります。  政府の地方分権改革推進委員会では、一都道府県内に完結する53水系の都道府県への移譲を、県が管理する二級河川と規模が異なるだけで、取水への取り組み姿勢には差はないとして、第1次勧告に盛り込む予定であると伺っております。国土交通省も20水系程度移譲する考えを示しているということでもあります。小嶋市長は、安倍川は市内で完結する唯一の河川であり、市民と協働した管理など、さまざまなことができるとして、必要な財源とセットで市に移譲されるべく、速やかに推進本部事務局長に陳情し、新聞記事での陳情する写真と、その記者説明の内容にも並々ならぬ意気込みを感じさせられました。  安倍川の総合的な施策にも、さまざまな種類があります。大谷崩に象徴される砂防事業や大雨による災害対策のための河川改修等の整備事業、海岸保全事業、生活や事業の用水の認可、水質の保全、河川敷のスポーツ広場や親水公園等の活用等の許認可、自然環境の保護などであります。自分の知る範囲での関係する人からの感想では、国は絶対権限を離すことはしないよ、また、国からの財源措置は難しいのではという意見や、職員の相当な増員が必要であることや砂防事業など高度の技術が必要で、権限移譲は難しいのではと悲観的な意見を言う人もおられます。地方分権が叫ばれ、自然と調和した静岡型政令都市を目指す本市にとっては、地方政府静岡を創設する絶好の権限移譲の物件ではないでしょうか。  去る6月16日、「地方議会から日本を変える!」と題した議員研修会が静岡市でも開かれました。早稲田大学大学院教授、北川正恭氏を講師に迎え、開催したものであります。中でも印象的だった言葉がドミナントロジックという言葉であります。固定観念に縛られている、その場を支配する空気に流されているという言葉であります。ドミナントロジックではなく、挑戦的でなければ改革はあり得ないということでした。真に地方分権をかち取るという意味から、ぜひ挑戦していただきたいし、実現していただきたいと思うのであります。  そこで、市長から、この取り組みへの思いをお伺いしたいと思います。実現には相当な課題があろうかと思いますが、課題をどのようにとらえているのか、またお伺いしたいと思います。  次に、安倍川の水質、水量、地下水規制についてお伺いいたします。  7月13日日曜日には、藁科川で市民アユ釣り大会が開催され、女性を含む約100名の方が1日を楽しみました。人が集まれば、アユの話になります。最近のアユの生態系が変わってしまった、なかなかとりにくくなった、護岸整備が進み、アユがたまるふちがなくなってしまった、水量が減り、アユが大きくなれないなどなどであります。笑い話と聞いてもらえれば幸いですが、東京の料理業者から安倍・藁科のアユを送ってほしいという注文があり、送ったところ、そのまま返品されたということであります。理由は小さい、やせているからであります。清流がゆえにメタボリックなアユはいないのでありますが、料理の世界では安倍・藁科のアユは評価されていないのが実情であります。静岡人は川魚を食さないのも理由の一つでありますが、アユそのものが清流、藁科川のブランドアユとしては既に役割は果たしていないというのが現実であります。  安倍川に育った人たちにも、子供のころ、かっぱと呼ばれ、毎日のように泳いだり、魚や虫を追いかけ回した私たち中年以上には懐かしい思い出があります。安倍川は千年の昔から、有史以来、豊かな環境、また昔から急流がゆえにして大きな扇状地をなし、静岡の歴史を刻んできました。このすばらしい安倍川が変わり始めております。  まず、安倍川の水質についてであります。  2006年の水質調査結果では、汚濁の指標であるBODの年間平均値によって評価されたと伺っておりますが、安西橋から下流域にあっては水量が少なく、釣りの水中糸にも細かな浮遊物がまとわりつくことも経験いたしますと、この水質評価地点が気になるところでもあります。安倍川の水質はどこの地点で測量し、どのような結果となっているのかお伺いいたします。  清流は、下流域まで流れる水量の多さがイメージとして浮かぶのではないでしょうか。年間を通じて水量は減っています。ことしの1月の瀬切れは、多くの人の、特に内水面漁業関係者にとって多くの魚が死滅したことで大きな話題となりました。国土交通省の見解では、例年にない降水量の低さが原因とされておりますが、水量の総量が減少しているだけに心配であります。安倍川本流へ市内から釣りに来る人は、牛妻地点で表流水がないことから、そこを過ぎて上流へ行けば表流水は流れていないと思い、藁科川に釣り場を変更される方もおります。工業用水、水道用水の伏流水取水地点であります。安倍川には十分な伏流水があると言われておりますが、現在の伏流水の取水分量で今後豊かな表流水が確保できるかどうか気にかかるところであります。担当者は、水利協定の範囲内でも大丈夫ということでありますが、そこで、安倍川の取水の現状と水量確保のためにどのようなことを行っているのかお伺いいたします。  また、安倍川は南アルプスを源として、急流の割には幅広い扇状地を擁しております。地下水は河川敷ばかりでなく、市街地でも地下水が豊富でありますが、表流水を保つためには地下水の揚水に対しても何らかの規制が必要であります。その規制はどのようになっているのかお伺いいたします。  安倍川についての最後の質問になりますが、安倍川の保全活動についてお伺いいたします。  保全活動の個別条例として、清流条例が施行され、保全のための重点施策として清流の都創造プロジェクトが掲げられております。河原で遊ぶ人がふえて、ごみがふえ、生活排水による水質の汚れなど、清流を保つには行政だけでは問題解決にならないため、市民、事業者を巻き込んだ活動としてアドプトプログラムが提唱され、昨年には清流の都・静岡創造推進協議会が設立されておりますが、保全のための活動の状況についてお伺いしたいと思います。  以上で第1回目の質問とさせていただきます。 20 ◯市長(小嶋善吉君) 私からは、一級河川の安倍川の権限移譲について、もう新聞等でごらんになられたと思いますが、答弁をさせていただきます。  これまでの地方分権改革を見ますと、第1期改革は、御存じのように機関委任事務制度の廃止、三位一体改革など、一定の成果はあったものの、地方団体関係者からすると、地方の自由度の拡大につながる分権改革という面では非常に不十分であったというふうに我々も思っております。したがって、今般の第2期改革については、地方公共団体を名実ともに地方政府とするべく、自治行政権、自治財政権、自治立法権を具備させた総合的なまちづくりを地域完結的な権能をもって推進できるようにするという高い目標を掲げられて、まさに地方の裁量が増すような改革ができるものと我々は期待をしているところでありまして、今回の第1次勧告の内容も第1期のときの提言とは大分内容が変わって、具体的なものになってきたというふうに思います。5月30日に分権改革推進委員会から1次勧告が福田総理に提出をされました。この勧告は、道路や河川などの重点行政分野にかかわる見直しと、都道府県から基礎自治体への事務移譲が主な内容となっております。特に、河川につきましては、1つの都道府県内で完結する水系内の一級河川を原則として都道府県に移管するということが出されました。我々の今までの経験、常識からいきますと、まさか河川の管理の移譲が具体的にこういうふうに出るというのは、ちょっと今まで考えられなかった話でありますけれども、今回こういったことが増田総務大臣と冬柴国土交通大臣の間で話をされたということが事前に我々のところにも伝わってまいったわけであります。指定都市市長会としても、従来、指定都市の区域内で完結する河川については、税財源とともに管理権限を指定都市へ移譲すべきという提案を、実はずっとしてまいったところであります。本市には指定都市で唯一水系全体が市内で完結する一級河川安倍川がありました。これが本市のいわば骨格を形成をし、長い年月にわたって静岡の歴史、伝統、文化のもとであったというふうに思いますし、名実ともに我が静岡市の母なる川として慈しまれてきたというふうに思います。  このような状況を踏まえ、地方の側からも分権の声を上げ、与えられるだけではなく、むしろ獲得をしていくべしという決意を示すことが重要であるという考えから、随分考えましたけれども、あえて5月22日に地方分権改革推進委員会を訪問し、一級河川安倍川の管理権限の受け入れ用意があるというアピールを行ったところであります。  ただ、これからどういうふうになるか、だれもわかりません、今。我々としては、関係する自治体としての決意を述べさせていただいたわけでありますが、これから分権本部でもあのようなことになりましたので、これから2次勧告に向けて、多分ことしの11月か12月に向けて、そのころにはもう具体的な名前も出てくると。その後、また税財源の移譲の話が今度は出てくるということで、我々としては逐一情報をとりながら、的確な行動をしていかなくてはいけない。また、議会の皆さんにも御協力をお願いしたいというふうに思っています。  以上であります。 21 ◯環境局長(内山和俊君) 二酸化炭素の削減計画と安倍川についての御質問にお答えいたします。  初めに、二酸化炭素削減計画に関する5点の御質問にお答えします。  1点目の平成20年3月、静岡市地球温暖化対策地域推進計画を策定したが、二酸化炭素の削減目標とその可能性についてお聞きしたいという御質問でございますが、静岡市域から排出される温室効果ガスを削減するため、静岡市地球温暖化対策地域推進計画を本年3月に策定しました。この計画では、平成22年度までに基準年に対し37%以上の削減を目指しております。そこで、この目標を達成するため、「ストップ温暖化!100万人参加プロジェクト」、ソーラーシティ・しずおか推進プロジェクト、しずおか森づくりプロジェクトなど7つのリーディングプロジェクトを設定し、削減に努めてまいります。これらの施策を推進することにより、目標の達成は可能であると考えております。  次に、2点目の市域の森林による二酸化炭素の吸収量はどの程度あるのかとの御質問でございます。  国の京都議定書目標達成計画に基づく森林の二酸化炭素吸収量の算出は、森林の種類別に森林の整備面積、森林の成長量等により算出をいたします。この方法により、1990年度から2007年度までの18年間の市域における二酸化炭素の吸収量を算出すると、合計10万7,000トンになります。  続きまして、3点目の森林を使ったカーボンオフセットについてどのように考えるかとの御質問でございます。  市域の77%が森林であり、森林を使ったカーボンオフセットは非常に有効な二酸化炭素の削減手法であると考えております。そこで、都市地域と森林地域を関連づけ、森林地域が都市地域にもたらすさまざまな恩恵に対し、都市地域の人的、経済的な価値を森林地域に導くことにより、市域内で排出される二酸化炭素を地域内で削減、吸収しようという二酸化炭素の地産地消モデルを今年度構築したいと考えております。  次に、4点目の風電君を導入した効果についてお聞きしたいとの御質問でございます。  本市の新エネルギー施策のランドマークとして、平成16年に風力発電施設、風電君を設置いたしました。この施設では、一般家庭の約500件分に相当する年間160万から180万キロワットアワーを発電し、この電力はすべて中島浄化センターで利用され、センターの電気使用量の約10%前後を賄っております。また、電気そのものの価値のほか、二酸化炭素を排出しないといった環境付加価値が生まれ、この環境付加価値をグリーン電力証書として企業等に売却し、この売却益を環境教育等の事業に充てるなど、二酸化炭素の排出削減の取り組みについて広く市民等にアピールしております。また、この施設には市内の小中学生を中心に年間3,000人前後の見学者が訪れ、新エネルギーに関する環境教育の教材として有効に活用しております。  次に、5点目の太陽光発電が普及するための施策を何か考えているかとの御質問でございます。  本市は、他都市と比較して長い日照時間や豊富な日射量に恵まれ、太陽光発電の利用が非常に有効であると考えております。そこで、静岡市地球温暖化対策地域推進計画のリーディングプロジェクトの1つとして、ソーラーシティ・しずおか推進プロジェクトを定めております。このプロジェクトでは、公共施設の整備、更新時には太陽光発電を積極的に導入するとともに、市民、事業者の取り組みを支援し、さらには市民協働発電などの手法を活用しながら、太陽光発電の導入促進を図っていきたいと考えております。  続きまして、安倍川に関する5点の御質問にお答えします。  初めに、1点目の安倍川の水質はどこで測定し、その結果はどうなのかとの御質問でございます。  安倍川の水質測定については、上流部では曙橋、下流部では安倍川橋の2地点で、河川管理者である国土交通省が毎月1回、合計年12回測定しております。河川の水質汚濁指標であるBOD、生物化学的酸素要求量の測定結果は、曙橋で0.5ミリグラムパーリッター未満、安倍川橋が0.7ミリグラムパーリッターで、いずれも環境基準を満たしており、日本一の清流を誇っております。  次に、2点目の昨年安倍川で瀬切れが発生し、水量の低下が問題となったが、安倍川の取水の状況をお聞きしたいとの御質問でございます。  本市は、河川法に基づく河川の流水の占用許可権者ではありませんので、正確な取水の状況は把握をしておりませんが、国土交通省の安倍川水系河川整備基本方針によりますと、1日当たり静清工業用水として約9万5,000トン、市の上水道が約5万5,000トン、農業用水が約4万1,000トンなど、合計19万1,000トンの安倍川の水を利用しております。  次に、3点目の水量の確保のための施策は実施しているのかとの御質問でございます。  本市では、平成18年7月に静岡市清流条例を施行し、安倍川、藁科川、興津川に重点区域を指定し、さまざまな施策を実施しております。この施策の1つとして、良好な水質、水量の保全のため、重点区域内の森林の保護、育成を図る施策の実施を市に義務づけるとともに、森林の所有者等に市の施策への協力規定を設けております。  次に、4点目の安倍川の伏流水である地下水の揚水について何らかの規制はあるのかとの御質問でございます。  地下水の揚水に関し、市では静岡県地下水の採取に関する条例及び静岡県事務処理の特例に関する条例に基づき、地下水を採取する者から地下水採取量等の報告の収受、採取する者に対する啓発活動を行っております。この条例では、地盤沈下や地下水位の異常な低下など、地下水障害がかつて生じ、地下水の採取の規制を行う必要がある区域を含む規制区域と、地下水障害が生じるおそれがある区域を含む適正化区域を指定し、それぞれ地域を構成する区域ごとに揚水機の吐出口の断面積や採取できる1分当たりの地下水の量等の取水基準を定め、地下水源の保全を図っております。安倍川の流域は、旧安倍6カ村を除き適正化区域に指定されており、県の条例で設置されております静清地域地下水利用対策協議会によりますと、現状では安定した状態で利用されていることが報告をされております。  最後に、5点目の安倍川の保全活動はどうなっているのかとの御質問でございます。  安倍川の保全活動としまして、本市では平成14年度から河川環境アドプトプログラムを実施しており、支川である藁科川も含め、河川敷を14の区間に分け、区間ごとに登録された市民団体等による清掃活動が行われております。平成19年度末で82団体、6,430人が登録しており、平成19年度は可燃物がごみ袋約400袋、瓶、缶が約120袋の収集実績がございました。また、6月末から9月末のレジャーシーズン中、清流監視員を27日間、延べ108名を配置し、河川敷でバーベキューなどを行っている人々に対し、マナー指導を実施しております。そのほかにも、環境保全に取り組んでいる市民団体から清流保全事業を企画提案していただき、採用されたものを市との協働事業として実施しております。さらに、市民団体による保全活動も盛んに行われており、今回、平成の名水100選に選ばれましたのは、水質が日本一であることや豊富な伏流水を有することなどに加えまして、このような安倍川を守り育てようとする市民、事業者の皆さんによる保全活動が認められたものと考えております。  以上でございます。 22 ◯経営企画局長(鈴木 孝君) 安倍川の管理権限の移管実現までの課題についての御質問にお答えいたします。
     第2期地方分権改革の全体スケジュールは、今回の分権委員会からの第1次勧告に続き、本年11月ごろに2次勧告、来年春ころには3次勧告が提出され、これら3次にわたる勧告を受けた政府は、地方分権改革推進計画を決定し、それに基づいて平成21年度中のできるだけ早い時期に新分権一括法案を国会に提出することとしております。このようなスケジュールの中で、政府は一級河川について2次勧告までに権限移管する対象河川を関係地方公共団体と調整し、結論を得るとしているところであります。したがいまして、まずは2次勧告までに必要にして十分な税財源措置が確保された上で、安倍川が移譲対象河川となることであり、その後、静岡県と本市との協議により移管を受けることとなるのか、または静岡県を経由せずに直接本市に移譲されるかどうかということになります。  いずれにいたしましても、本市といたしましては、一級河川安倍川を管理することとなっても支障のないよう、現時点から必要な費用、組織等について調査、研究や準備を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。   〔13番浅場 武君登壇〕 23 ◯13番(浅場 武君) 2回目の質問は、住宅政策についてお伺いいたします。  1点目は、市営住宅についてであります。  住宅政策につきましては、3年前に市営住宅の再整備内容と取り組み状況について質問しております。当局の回答ですと、市営住宅は市の合計で68団地、7,386戸であり、このうち木造団地13団地を建てかえ予定団地として位置づけているということでありました。今後の市営住宅につきましては、公営住宅ストック総合活用計画で定められたこれらの計画も、今後予定している住宅マスタープランの策定の際に市営住宅の立地やあり方について検討していくという答弁がなされております。国の住宅政策も2006年に住生活基本法が成立して、今まで5年ごとに定期的な見直しを実施してきた住宅供給をコントロールしてきた住宅建設計画法の役割は2005年に終え、住宅政策は大きな転換期を迎えているものと思われます。  そのような中で、本市では静岡市住生活基本計画を現在策定中であるとのことであります。市営住宅の供給目標戸数も検討していくということでありますが、現在は市営住宅の建てかえ計画は現在の指針である住宅ストック計画を尊重していくということであります。本市としても、今後木造13団地の建てかえ予定がある中で、単身世帯や高齢化、入居者のニーズに対応するためには、厳しい財政状況の中で新しい住宅建築は非常に難しくなってくるものと思われます。  そこで、市営住宅の今後の役割と方向性をどのようにとらえているのかお聞かせ願いたいと思います。  市民への住宅供給には民間事業者からの供給をも視野に入れるということが思われる中で、静岡県では先般の新聞記事によれば、人口減少や老朽化への対応策として、民間事業者が建築した賃貸住宅を借り上げ、県営住宅として運営する借り上げ型公営住宅制度を平成27年度までに800程度供給することが新聞報道されております。また、民間事業者が建築した賃貸住宅を借り上げて、市営住宅として運営する方法について、今後どのように考えているのかお聞かせください。  また、13団地の木造住宅がある中で、建てかえをするにも相当な期間と財源が必要になってきます。更地状態になっている団地は、景観上や地域の防犯上からも何とかならないかと地域住民からの声も大きく聞かれます。建てかえ予定団地の管理の状況と建てかえ予定団地個々での見直しをどのように考えているのかお伺いいたします。  また、あくまでも住宅用地としての行政財産として建てかえ計画がある団地につきましては、時期到来まで保持していくならば、暫定的な公共施設としての利用は考えられないかどうかお伺いいたします。  続きまして、民間住宅への支援策についてお伺いいたします。  住宅政策は国の住宅公団から都市再生機構に吸収されるなど、名称変更が示すとおり、住宅関連事業が大幅に縮小されたことが象徴されております。公営住宅の役割を低所得者向けのセーフティネットへと方向が示され、公的主体による直接供給から市場を誘導した供給になってきているとも思われます。また、補助制度も地域住宅交付金となり、多様化するニーズに合わせた地域独自の住宅政策にゆだねられてきております。今回の質問の調整の中で、限られた財源の中で多様なニーズに合わせた住宅政策の難しさ、またあり方について、当局のジレンマと施策づくりの難しさを改めて認識したところであります。  このような中で、本市の場合、中堅所得者を対象としたファミリー向けの優良な民間住宅は、特定有料賃貸住宅制度が発足して、現在では11棟187戸の民間住宅を借り上げております。また、平成19年度からは高齢者向け優良賃貸住宅を供給する事業者へは高齢者の居住の安定確保に関する法律の施行により、整備費用、家賃の減額に要する費用等の助成制度を施行されております。しかしながら、農地の宅地並み課税で多くの農用地が賃貸住宅へと土地利用されていく中で、制度のPR不足なのか、または民間住宅会社の営業努力がまさっているのか、高齢者向け特定賃貸住宅は現在、3棟80戸であり、制度の利用がなされていないように思われますが、高齢者住宅の支援策の現状についてどのようになっているかお伺いいたします。  また、子育てに伴う経済負担から、民間事業者の賃貸住宅から家賃の低い公的な市営住宅への転居という強い要望があることから、平成19年度から特定賃貸住宅として子育ての入居助成が開始されました。応募状況を見てみますと、19年7月の第1回の公募に対して237件、9.8倍、ことしの1月の公募では新築2戸に対して27件、13.5倍の入居希望があることがわかります。国、県の助成がなく、市の単独助成でありますが、このような需要が多い中で子育て支援住宅の現状はどのようになっているのかお伺いいたします。  3点目は、特に子育て支援を担当する保健福祉子ども局長から、子育てを担当する立場から、子育て支援住宅についてお伺いいたします。  その前に、ちょっと気になる調査結果がありましたので、住宅とは離れますが、そのことからお伺いしたいと思っております。  本市の子どもプランは、静岡市は子供を大切にしますとの基本方針のもと、国の次世代育成支援対策推進法の制定を受け、平成17年から26年の10年間の行動計画として子どもプランを定めております。21年度までの5カ年の中間評価を、東京にありますNPO法人が第1回次世代育成支援行動計画進捗ランキングを発表しております。項目別では、保育園に関する事柄、学童保育に関する事柄、疾病などのショートステイ、ファミリーサポートセンター、交流の場の提供といった調査項目の中で、本市は全国主要49都市の比較では下位に位置づけられていることがわかりました。日本一子育てしやすい静岡市を目指し、全国にも先駆け、子育て支援センターを中心市街地に設置し、子育ての先進市であり、全国レベル的にも上位に位置づけられると予想していただけに、予想外の結果でした。この結果についてどのように評価しているのか、まずお聞かせください。  次に、子育て支援住宅は、さきに述べたように都市局の住宅政策の中で国からの制度や財政支援のない中、新しい取り組みでもあり、公募に対する申込者が多い実情を踏まえた中で、子どもプランでの位置づけはどのようになっているのかお伺いいたします。  次に、静政会では、昨年、会派として「くらし・あったか・静岡市」を目指してマニフェストを作成いたしました。当局に対しましても、こどもヒルズ構想を政策提言したところであります。中でも、少子化対策は静政会でも目玉としてのマニフェストであります。子育て住宅の拡充の今後の方策として、第1に市営住宅の活用、第2に特定優良賃貸住宅である民間住宅に対する助成、第3に清水、東静岡、安倍川、新清水といった鉄道駅舎の近く、交通利便性のよいところに新たな子育て住宅を誘導していくことを政策提言しておりますが、子どもプラン推進の担当局としてどのようにとらえているのかお聞かせ願いたいと思います。  以上で2回目の質問といたします。 24 ◯都市局長(金井宣雄君) 市営住宅につきましての4点の御質問でございます。  1点目でございます。市営住宅の今後の役割と方向性はどうかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  市営住宅の役割は、市民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としまして、住宅に困窮する低額所得者に対し低廉な家賃で供給を行うものであります。さらに、社会情勢の変化や少子高齢社会への対応が課題となり、低所得者のみならず、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭、そのほかDV被害者や犯罪被害者など、住宅確保要配慮者に対して供給促進を図る施策を講ずるように努めるという責務も負うこととなりました。このような市営住宅の役割を踏まえ、公営住宅ストック総合活用計画の見直しの中で、ストックの活用を基本に、住戸改善、エレベーター設置などのバリアフリー化及び建てかえ等について関係機関と連携、協議して対応してまいりたいと考えております。  続きまして、借り上げ型市営住宅の導入についてどのように考えているのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  現在、市営住宅は約7,400戸あり、このうち約6割が昭和40年代から50年代前半の建設で、老朽化が進んでおります。順次、住戸改善や片廊下、エレベーター設置などのバリアフリー化を進めておりますが、市街地の狭小な団地ではエレベーター設置が困難であったり、厳しい財政状況の中、多様なニーズに見合った住宅の新設は難しくなってきております。借り上げ型市営住宅の活用は、これらの問題解決にとって有効なものであると思われますことから、平成21年度より導入すべく準備を進めております。  続きまして、建てかえ予定団地の管理の状況と計画の個々の見直しはできないかとのお尋ねでございます。  現計画で建てかえを予定している団地は、葵区で堤町など2団地、駿河区で向ケ岡など4団地、清水区で緑が丘など7団地の計13団地であります。これらのうち、既存住宅の除却が進み、更地となった用地の管理は、外さくの設置が基本でありますが、地元の町内会や自治会などの要望により、防災倉庫などに一時的な貸し出しを行っているところもあります。  市営住宅は住宅セーフティネット機能を重要な役割としておりますが、応募状況を見ると、利便性のよいところや新しい団地の需要が高いという実態があります。このため、建てかえ予定団地は公営住宅ストック総合活用計画の中で立地条件や住環境などの面を考慮して、建てかえ計画の改廃、優先順位の見直し作業を進めているところであります。  続きまして、公共的な暫定利用は考えられないかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  市営住宅の用地につきましては、今後その有効活用を検討する中で暫定利用の可否、方法などを考えていきたいと思います。  続きまして、民間住宅の支援策についての2点の御質問でございます。  1点目、高齢者への住宅支援策の現状はどうかとのお尋ねでございます。  平成15年度より、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づき、高齢者の生活に配慮した良質な民間賃貸住宅の建設の促進を図るため、地域住宅交付金制度などを活用した建設補助と家賃減額補助を実施しております。実績としまして、平成18年度末までに5棟111戸を完成し、現在109戸が入居、2戸が入居準備中となっております。現在、4棟82戸が建設準備中であり、平成21年度予定の建設整備事業として、この8月に60戸程度の募集を予定しております。  続きまして、子育て世帯への住宅支援策の現状はどうかとのお尋ねでございます。  平成19年度より、民間の特定優良賃貸住宅では国が定める収入基準の範囲内で小学6年生以下の子供のいる世帯を対象に家賃減額補助を実施しております。現在、13戸入居し、1戸入居準備中であり、引き続き15戸程度の募集を行っております。  以上でございます。 25 ◯保健福祉子ども局長(長田光男君) NPO法人が行った第1回次世代育成支援行動計画進捗ランキングの結果をどのように評価しているのかとの御質問にお答えいたします。  次世代育成支援行動計画進捗ランキングは、NPO法人が独自の活動として行ったものであり、政令指定都市と中核市の5カ年の各指標の改善目標の難易度と18年度実績の達成度の2つの項目について、NPO法人が定めた基準により評価したものであります。このランキングによれば、本市はデータが取得できなかった7市を除く42市中、難易度で17位、達成度で32位、総合30位となっております。しかしながら、NPO法人の評価においても、最重要施策とされている放課後児童クラブについて、18年度から緊急3カ年整備事業として重点的に進めるなど、本市の実情に応じた施策に鋭意取り組んでいるところであります。  次に、子どもプランにおける住宅施策の位置づけはどのようになっているのかとの御質問にお答えいたします。  子どもプランにおいては、事業の推進に当たって6つの目標を定めております。住宅施策としては、子供の健やかな生まれ、育ちを願う子育て家庭への支援という目標に特定優良賃貸住宅子育て支援事業が、子育て世代の経済的負担の軽減という目標に公共賃貸住宅の供給と子育て期限つき入居制度が位置づけられております。  次に、子育て支援住宅についてどのように考えているのかとの御質問にお答えします。  本市は、今年度子どもプラン後期計画の策定に着手したところで、年度内に子育てに関する実態調査を実施し、市民ニーズを把握する予定であります。子育て支援のための住宅施策については、この調査結果及び策定中の住生活基本計画との整合性を踏まえ、後期計画を策定する中で検討をしていきたいと考えております。  以上でございます。   〔13番浅場 武君登壇〕 26 ◯13番(浅場 武君) 3回目は、意見、要望といたします。少し時間をください。  2点について述べさせていただきます。  1点目は、安倍川の権限移譲についてであります。  課題が多く、実現までには忍耐と相当な覚悟も必要と思われます。すべての権限が移譲されなくても、せめて取水権ぐらいはぜひとも移譲されるべきではないかと思っております。一級河川が国直轄事業になったのは、治山や災害に対して一地方都市では解決できない技術と財源、関係する市町村との調整があったからだと推察されます。  昨年、南アルプス二軒小屋まで視察しました。大井川源流から富士川までの東電の取水口へ大量の水が吸い込まれる状況を見ました。こんなにも表流水が持っていかれるものかと感じがいたしました。大井川の取水権の更新時には流域地域と調整に相当な時間を要したと、様子も伺っております。安倍川の清流を保持するためには、清流のイメージとして表流水が河口まで完結することが必要であります。いつまでもあると思うな、空気と水であります。安倍川の権限移譲はすべてが望ましいのですが、水利などの一部でも移譲されるよう、ぜひ頑張っていただきたいと強く要望いたします。  2点目は、住宅政策のうち、民間事業者の活用についてであります。  国の政策の転換も市場原理的な発想のもと、住まいに関するあり方そのものに地方の独自性を求めているものであります。住宅の借り上げのことについて質問をさせていただきましたが、当局のやりとりの中で、現状の事業者の中古住宅の活用については、現状では検討していないということでありましたので、質問はいたしませんでした。農地の宅地並み課税で多くの農地保有者が賃貸住宅を建設しております。民間事業者の中古賃貸住宅は余剰気味で、空室も多く存在していると伺っております。中古住宅は耐震性や居住性などの根拠で市営住宅として借り上げていくことは困難との意向でありますが、市営住宅の申込者が数多く見られる中で、待機者ゼロをクリアするためには最もスピーディーに解決する方策の1つであります。  ぜひ民間事業者の賃貸住宅を市営住宅と借り上げる場合には、中古住宅の借り上げもぜひ検討していただきたいことを要望して、すべての質問を終わります。 27 ◯議長(城内 里君) この際、暫時休憩します。         午後0時12分休憩    ─────────────────────         午後1時15分再開 28 ◯副議長(望月厚司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行します。  次に、山本彰彦君。   〔4番山本彰彦君登壇〕 29 ◯4番(山本彰彦君) 通告に従いまして、安心・安全まちづくりに関して、市民生活の中で身近に存在する消費者行政、個人情報、防犯・交通安全の3点につきまして、最近の国の動向や法改正を踏まえ、今後さらに市民が安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現に向けて質問してまいります。  初めに、消費者行政についてであります。  近年、規制緩和政策など、市場メカニズムを重視した社会の意向やIT化の進展により市場経済の活性化、商品、サービスの多様化が進み、結果として消費者の選択肢が拡大するなど、利便性が向上してまいりました。しかし、その反面、消費者と事業者間の格差が拡大し、また新手の不適正な事業行為の出現や消費者が商品、サービスを適正に選択することが困難になるなど、消費生活の安全が脅かされ、消費者が安全で安心して消費生活を送ることができる環境が損なわれてまいりました。この数年だけでも、架空事業への投資勧誘などの新手の悪質商法、家庭用製品による事故、食品の表示偽装事件など、消費者の財産や体の安全を脅かすさまざまな事件、事故や企業の不祥事が多発し、消費者被害が後を絶たないのが現状であります。  このような中、国においては平成16年6月、消費者保護基本法を改正し、消費者基本法を制定、さらに政治や行政が国民の視点を真正面からとらえていなかったとの観点から、消費者や生活者の視点に立った行政を実現するため、消費生活行政の一元化、体制の整備、法律改正の準備が進められています。消費生活は、年齢、性別、職業などにかかわらず、すべての市民が関係し、時代の流れとともに激しく変化します。消費者行政も、このような消費生活の変化に迅速に対応することが求められています。  3点質問します。  1点目に、昨年10月、福田首相は所信表明演説の中で、真に消費者や生活者の視点に立った行政に転換し、消費者保護のため行政の機能強化を行うことを打ち出し、4月23日、消費者庁の創設を表明されました。消費者庁の新組織では6つの基本方針が示されました。消費者を主役とする政府のかじ取り役、消費者行政全般についての司令塔、消費者庁が強い勧告権を持ち、地方の消費者行政の立て直しと強化、行政肥大化の抑制、そして来年度から発足させることであります。消費者重視の社会づくりに必要な組織として、大きな期待を寄せるところであります。  また、5月29日、消費者問題国民会議2008静岡市大会が開催されました。テーマは「活かそう消費者・生活者の視点」として、消費者庁創設に向けての討議でありました。今後どのように消費者行政が転換されていくのか、国民が高い関心を持っている中での大会でありました。消費者庁創設に当たり、国、地方の役割分担についてどのように考えているのかお伺いします。  2点目に、改正された消費者基本法は、消費者の権利が明記され、消費者は保護される立場から自立した主体として位置づけがされました。内容のポイントは、これまでの消費者保護から消費者の自立へと政策手法の重点がシフトされ、行政の役割も消費者が自立できるように支援していくことが求められることであります。行政が実施すべき主な施策は5点、安全の確保、消費者契約の適正化、計量・規格・広告等の適正化、啓発活動及び教育の推進、苦情処理及び紛争解決の促進であります。本市でも法改正の趣旨に沿って、昨年、静岡市消費生活条例が施行されましたが、施行後の取り組みについてお伺いします。  3点目に、静岡市消費生活条例の第6条に、「市長は、消費生活の安定及び向上に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、市の消費者施策に関する基本的な計画を策定するもの」とあります。基本計画の策定は、条例の実効性を確保し、消費者被害の防止に向けた計画的な取り組みを進めていく上で極めて重要なことであります。本年度基本計画策定と伺っておりますが、消費生活基本計画策定の考え方についてお伺いします。  次に、個人情報保護についてであります。  平成17年4月、個人情報保護法が施行されました。施行後における内閣府の世論調査では、個人情報保護法を知っている人は約8割、そのうち、この法の影響により周囲の人の個人情報保護に関する意識や関心が高まったと感じている人が約4分の3、民間事業者や行政機関の個人情報保護の取り組みが進んだと感じている人が約7割、一方、自分の予期しない目的で個人情報が利用されているのではないか、知らないうちに個人情報が他人に提供されているのではないかといった個人情報の取り扱いに対する不安を感じている人が約7割でありました。個人情報保護法が全面施行されたことにより、個人情報保護に関する国民の意識が高まるとともに、事業者の取り組みも進んでまいりましたが、国民の個人情報の取り扱いに対する不安は依然として高いものと考えられます。  このような中で、新たな課題が浮き彫りになってまいりました。大規模な事故や災害などが発生した際の安否情報は、第23条第1項第2号の「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当するため、公表しても差し支えないと解釈されています。しかしながら、JR福知山線脱線事故のように、周知が行き届かなかったために情報の取り扱いに混乱をもたらしたことや、新潟県中越沖地震では要援護者名簿の取り扱いに問題点が表面化し、自治体が保有する要援護者名簿が町内会に共有されていれば地震の被害者を減らせた可能性があったなどの事例があり、法律の想定を超えた過剰反応が起こりました。一方で、個人情報流出事件は以前にも増して多くなり、個人情報の盗難、紛失、恐喝事件の発生など、社会問題化してまいりました。  2点質問します。  1点目に、政府は4月25日、個人情報保護法のもとで行政機関や民間事業者が行うべき施策をまとめた個人情報の保護に関する基本方針の改正案を閣議決定しました。個人情報保護法施行後の変更方針は、社会的な必要性があるにもかかわらず、法の定め以上に個人情報の提供を控えたり、運用上作成可能な名簿の作成を取りやめたりするなど、いわゆる過剰反応が生じていると明記し、対策として、積極的な広報、啓発活動のほか、適切な解釈と運用を求めたものであります。  本市のこれまでの過剰反応に対する対応及び今後の取り組みについてどのように考えているのかお伺いをします。  2点目に、5月1日から戸籍法及び住民基本台帳法の一部が改正されました。主な改正内容は、だれでも戸籍謄本等の交付請求ができるという従来の戸籍の公開原則を改め、第三者が戸籍謄本等の交付請求ができる場合を制限する規定と、交付請求の際に窓口に来た人は運転免許証などによる本人確認を行う規定であります。窓口業務では、従来にも増して本人確認などを慎重に行わなければなりませんが、高齢者の方や待ち時間などの市民サービスの低下を招かないための適切な対応が必要であります。本人確認の手続が追加されるなどの法改正がありましたが、これに伴う市民への周知や窓口の体制など、どのような対応を図ってきたのかお伺いをします。  次に、防犯・交通安全についてであります。  警察庁は、治安対策において刑法犯の認知件数が平成14年まで7年連続して戦後最多を記録していたことを受け、平成15年8月、緊急かつ重点的に取り組んでいく治安対策のプログラムとして、緊急治安対策プログラムを策定、その後、治安再生への道筋を確実なものとするため、平成18年8月、このプログラムをさらに進化させて実施する施策を治安再生に向けた7つの重点として取りまとめました。内容は、犯罪の抑止と検挙する取り組みの推進であります。  また、交通安全対策では、同年4月、第8次交通安全基本計画を踏まえ、5年間重点的に取り組む対策として、交通安全対策推進プログラムを策定、このプログラムの重点的な取り組みの1つは、自転車乗用中死者数を平成22年までに平成17年と比較し約2割以上減少させることを目標とし、自転車利用者の安全確保と悪質自転車対策に取り組むことであります。そして、本年6月、自転車利用者対策、被害軽減対策、高齢運転者対策、それぞれの推進を目的とする改正道路交通法が施行されました。  防犯・交通安全は警察の仕事との意識がありますが、犯罪や交通事故を未然に防ぐことが市民に身近な自治体が果たす大きな役割であります。防犯・交通安全、それぞれについて質問します。  まず、防犯対策であります。  警察庁による治安再生に向けた取り組みを推進してきた結果、刑法犯の認知件数は平成15年以降、5年連続減少し、徐々に改善の傾向となっています。しかしながら、刑法犯認知件数はいまだ昭和40年代の2倍近くの水準にあることに変わりはなく、依然として厳しい情勢が続いています。  また、静岡県は、平成18年度実施の県政世論調査において、犯罪被害に遭うかもしれないという不安感が72.8%と高い数値を示したことを受け、平成22年度までにこの不安感を50%未満に引き下げることを目標に掲げ、犯罪不安ゼロ運動を県民総ぐるみの防犯活動として展開しています。この施策の1つに、地域防犯活動事業があります。  そこで、本市の犯罪状況と地域防犯活動事業の実施状況はどのようになっているのかお伺いします。  次に、交通安全対策における自転車利用者の安全確保の推進であります。  改正道路交通法の自転車利用者対策では、自転車の通行等に関するルールが改正され、罰則が強化されました。ルールの見直し内容は、普通自転車の歩道通行、乗車用ヘルメットの着用、地域交通安全活動推進委員に関する規定であります。自転車安全対策を進める上で、改正内容の周知をどのように推進していくのかお伺いします。  また、京都府では自転車のかかわる事故の増加や自転車利用者のマナー悪化などを背景に、自転車の安全な利用の促進に関する条例を制定しました。この条例の特徴的な内容は、自転車利用者の責務として、携帯電話やイヤホンなどの使用禁止、自転車の点検整備、損害保険等の加入を努力義務として規定しています。本市における自転車利用者への安全確保として、自転車の点検整備、損害保険等の加入についてどのように考えているのかお伺いし、1回目の質問とします。 30 ◯生活文化局長(古屋光晴君) お答えいたします。  まず、消費者行政に関する3点の御質問にお答えいたします。  1点目は、消費者庁創設に当たりまして、国と地方の役割分担についてお答えいたします。  食の安全問題に端を発し、国の各省庁がそれぞれ担っている消費者行政を一元化するため、消費者を主役とする政府のかじ取り役となる消費者庁の創設準備が進められております。具体的には、悪質商法などの取引の監視・取り締まり、食品や商品の表示の適正化、製品の安全確保、物価高への対応という分野における一元的な窓口、企画立案、法執行、是正勧告などの機能が検討されております。消費者庁が創設されることにより、現在の取引、表示、製品の安全という3点を主とする観点から、新たに消費者庁に加える権限につきましても確実な連携が一層要求されるようになると思われます。消費生活相談等を通じて消費者被害の実態等についての情報を把握・収集し、迅速に国に情報提供していくことや、市民に対する適宜・適切な注意喚起や啓発が市の基本的な役割でございます。  2点目は、消費生活条例施行後の市の取り組みについての御質問でございます。  平成19年7月に施行した静岡市消費生活条例は、消費者の権利の尊重と自立支援を基本理念とし、消費者、事業者、市がおのおのの役割や責務を果たし、一体となって消費生活の安定と向上を図っております。パンフレット、広報紙等を通じて事業活動の適正化や消費者被害の救済を図るために、静岡市で禁止する不当な取引行為や訴訟援助制度等を消費者、事業者に周知しております。また、専門家や消費者の意見を消費者施策に反映させるため、静岡市消費生活審議会を設置し、平成19年度には会議を2回開催し、静岡市の消費者行政の課題や主要事業について意見を聴取いたしました。今年度は、消費生活の安定及び向上に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、静岡市消費生活条例第6条に規定した静岡市消費生活基本計画の策定に取り組んでおります。  3点目は、消費生活基本計画策定に当たっての基本的な考え方についてです。  基本計画は、国際化、情報化等、消費者を取り巻く社会環境の変化に対応して消費生活の安定と向上を図るため、消費者の自立支援、消費生活の安全・安心の確保、事業活動の適正化、消費者被害の救済、生活関連商品等の安定供給、消費者を取り巻く環境の変化への対応の6項目を基本方針として策定するものであります。静岡市が行う施策の体系化を図り、消費生活に関連する事業の全体像を明らかにすることを目的としております。策定に当たりましては、庁内関係21課で構成する消費生活関連行政推進会議を設置し、計画案を検討するとともに、今後は消費生活審議会に意見聴取を行うほか、市民意見を公募する予定でございます。  次に、法律の改正によりまして、住民票の写し等の交付をするときに申請人の本人確認が必要になったことに対する市民への周知や窓口の体制など、どのような対応を図ってきたかということでございます。  法改正に伴う本人確認手続の追加など、変更点につきましては、国においてはテレビ等を活用しながら全国に周知が図られてきたところでございます。加えて、本市におきましては、「広報しずおか」で2回掲載したほか、新聞、ラジオのマスメディアを利用した周知や各区役所、支所、サービスコーナーへの案内ポスターの掲示などを行い、市民への周知を図ってまいりました。あわせて、窓口職員の対応マニュアルの作成や職場研修の実施など、窓口の体制につきましても法改正に備えてきたところでございます。これらの対応によりまして、改正後の5月以降においても窓口では支障なく、今までの体制で順調に処理されております。  以上でございます。
    31 ◯総務局長(村松 眞君) 個人情報保護に係ります過剰反応への対応及び今後の取り組みにつきましての御質問にお答えいたします。  平成17年4月に個人情報保護法が全面施行されてから、これまで本市において学校や自治会における連絡網の作成などについての相談が数件あり、いわゆる過剰反応の傾向が見受けられました。その対応といたしまして、学校関係者への指導や市政ふれあい講座による自治会への説明、それから内閣府、静岡県、静岡市共催によります個人情報保護法一般向け説明会、事業者向け説明会を行ったところでございます。最近では、平成20年3月17日に市の民生委員、児童委員1,150名を対象に、個人情報の取り扱いについての説明会を開催いたしました。今後も閣議決定の趣旨を踏まえて、市民の社会生活に支障を及ぼすことがないように、機会をとらえて説明会を開くなど、積極的な広報活動を行って周知に努めてまいります。  以上でございます。 32 ◯生活安全統括監(大村一雄君) 防犯・交通安全についての3点の質問にお答えをいたします。  まず、本市の犯罪状況と地域防犯活動支援事業の実施状況でございますが、警察の資料によりますと、静岡中央警察署、静岡南警察署、清水警察署管内における刑法犯罪認知件数は、平成12年の1万3,660件をピークに毎年減少しており、平成19年は8,833件と、平成12年に比べ4,827件、35.3%減少をしております。罪種別に見ますと、平成19年は全体で8,833件のうち、窃盗犯が6,523件と大半を占めており、窃盗犯の中でも自転車やオートバイなどの乗り物盗が2,834件と多くを占めております。殺人、強盗などの凶悪犯は42件であり、全体の0.5%であります。  また、地域防犯活動支援事業につきましては、県補助事業として地域ぐるみの自主的な防犯対策への取り組みを促進するため、中学校区程度を単位として組織された自主防犯活動団体に対しまして防犯パトロール、防犯教室、講演会等の開催、啓発用パンフレット作成等の活動費用を補助しております。平成16年度から平成19年度までの実績につきましては、交付団体数が計14団体、交付金が670万円となっております。本年度は、現在までに6団体から申請を受けております。  次に、道路交通法改正により自転車の通行ルールが改正されたが、改正内容の周知をどのように推進していくのかということでございますが、道路交通法の一部改正の周知につきましては、県警を初め、市の交通安全推進団体と協力の上、実施をしております。今後、年4回の交通安全運動時に道路交通法一部改正のポイントというパンフレットを交通安全推進団体や街頭広報の際に市民に配布し、広く周知を図っていく予定であります。また、交通指導委員会は各支部単位で今回の法改正について研修会を実施し、日々の交通安全指導の中で市民に対する改正内容の周知に取り組んでいくことになっております。県におきましても、中学生、高校生のための副読本、自転車セイフティアンドマナーを作成し、県内すべての中学生、高校生に配布をいたしました。今後も県警、関係団体と連携を密にし、法改正の周知と自転車による事故防止に努め、より効果的な啓発活動を行っていきたいと考えております。  最後に、自転車の点検整備、損害保険等の加入についての御質問にお答えをいたします。  自転車の点検整備、損害保険等への加入につきましては、現在、法的な義務規定はありませんが、自転車安全整備士による点検整備を受けることにより賠償責任保険及び傷害保険がつく自転車安全整備制度というものがあり、県や警察署及び自転車軽自動車商業協同組合がこの制度への加入促進を図っております。本市におきましても、安全な自転車での安全な走行を啓発していくため、各種関係機関との会議の場や高等学校校外教育連盟などへチラシを配布してまいりました。今後とも歩行者及び自転車利用者の安全確保のために、交通安全運動など、さまざまな機会をとらえ、自転車の点検整備、損害保険等への加入啓発に努めてまいります。  以上でございます。   〔4番山本彰彦君登壇〕 33 ◯4番(山本彰彦君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  2回目は、消費者行政の強化と防犯対策について質問してまいります。  まず、消費者行政の強化についてであります。  自治体は、消費生活センターを中心として消費者トラブル解決のための消費生活相談、消費者教育、消費者団体の支援、生活品の安全確保に関する事務など、生活者や地域に密着した施策が行われています。特に、相談事業では消費者被害が発生した場合の最初の相談窓口であることから、自治体における消費生活の変化や消費者被害の実情を把握する役割を果たし、消費者行政の最も基本的な位置づけを占めていると言えます。また、把握された消費生活の実情と消費者被害とを踏まえて、個別の相談者に対する助言という消費者支援にとどまらず、市民に対する情報提供、啓発、消費者教育に反映させることが可能となり、情報収集の役割も果たしています。  消費者被害は、かつては生活のための買物をする主婦という時代もあり、当時は消費者イコール主婦という認識がありました。現在では子供から高齢者まで、自分のライフスタイルに応じた消費生活を営んでおり、これらをねらう悪質商法も多様化、広域化してきています。また、インターネットの急速な普及に伴い、これに関連する消費者問題が多発し、新しい商品やサービスに関する知識の習得が必要となり、そのための研修制度などの充実も求められています。このようなことから、消費生活センターの機能強化が必要であると言えます。  そこで、本市が今後取り組むべき事業と、また事業推進に当たり、担当者などの教育はどのように考えているのかお伺いをします。  次に、防犯対策についてであります。  警察では、これまで検挙にまさる防犯なしを方針として、犯罪対策に取り組んできました。しかしながら、検挙率が低下すれば治安への信用不安を招くことになり、さらに犯罪を誘発するという悪循環に陥ってしまう可能性があると言えます。このようなことから、犯罪対策を検挙中心から予防中心へと根本的な転換を図り、犯罪の抑止を前面に押し出しました。犯罪の予防は、市民の犯罪に対する不安感を取り除くことであり、犯罪の検挙等の事後的な活動に頼るのではなく、犯罪の発生を未然に抑止することであります。その対策では、市民、ボランティア団体、関係機関等と連携、協働して、地域住民の要望に応じた幅広い活動を展開し、犯罪が発生しにくいような環境づくりや自主防犯活動などに対して積極的な支援を行うことであります。  2点質問します。  1点目に、犯罪予防の観点から、自治体が防犯活動に取り組むことを明らかにした生活安全条例などの制定が全国各地で進んでまいりました。本市でも仮称防犯まちづくり条例の制定に向け、行財政改革推進大綱の実施計画に位置づけし、平成18年5月、第1回静岡市防犯まちづくり検討委員会が立ち上げられました。しかしながら、その後、検討委員会が開催されることがなく現在に至っていますが、仮称防犯まちづくり条例制定に向けた取り組みと考え方はどのようになっているのかお伺いします。  2点目に、地域防犯活動事業は本年度までの県補助事業でありますが、今後についてどのように考えているのかお伺いし、2回目の質問を終わります。 34 ◯生活文化局長(古屋光晴君) 消費者行政の強化についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、本市が取り組むべき事業についてどのように考えているかということでございますけれども、静岡市消費生活基本計画を策定することによりまして、消費生活に関連する施策を的確、総合的に進めていきたいと考えておりますが、現在は特に被害の深刻化しています高齢者の保護と生活を脅かす多重債務の問題に重点を置いております。地域で生活する高齢者に対しては、高齢者見守りネットワークを構築し、地域包括支援センター職員、民生委員、ケアマネジャー、ヘルパー、ボランティアなどの高齢者の身近で活動する方々と連携し、被害の早期発見・早期解決・拡大防止を図っております。また、消費生活相談により判断力の低下が判明した場合は、必要な福祉サービスの利用につなげるようにしております。  次に、多重債務問題に対しては、窓口部門で多重債務者を掘り起こし、生活の再建という形での多重債務者相談につなげるよう体制の充実を図っております。  次に、消費者行政を進めるに当たって担当者等の教育をどのようにしているかという御質問にお答えいたします。  消費生活センターで消費生活相談業務に当たる専門相談員には、資質向上のため、毎年2回消費者に関する法律等の専門的な研修の機会を確保しております。また、高齢者見守りネットワーク事業推進の手引となる静岡版高齢者見守りガイドブック2008を関係者に配布するとともに、必要に応じて説明会を開催し、連携を図っております。その他、多重債務者相談に関しましては、統一した受け付け処理を行うため、静岡市多重債務者相談手引を作成したほか、庁内連絡会議、静岡市多重債務問題ネットを設置し、情報の共有化を図るとともに、職員研修会を実施し、担当者の理解を深めております。  以上でございます。 35 ◯生活安全統括監(大村一雄君) 防犯対策についてお答えをさせていただきます。  まず、仮称防犯まちづくり条例制定に向けた取り組みと考え方でございますが、本市におきましては、警察、自治会、防犯協会等との連携の上、自主防犯活動支援や防犯灯の設置促進、青色回転灯による防犯パトロールなどの実施により、安全・安心なまちづくりに努めているところであります。こうした中、市内の刑法犯認知件数は、平成12年をピークに減少を続けております。  条例につきましては、平成18年度から庁内検討委員会を組織し、検討を続けてまいりました。その中で、本市条例のあり方について、市及び市民の認識を整理すること、条例の意味について県条例とのすみ分けを明確にすることが課題として明らかになってきました。したがって、現在これらの課題を解決すべく、条例制定を含め、防犯まちづくりに向けた推進について引き続き検討を行っているところであります。  一方、防犯対策は多岐にわたるため、各課にて取り組んでいる防犯についての事業を整理しながら、それらを効果的に推進していくことができるよう、具体的で実効性のある推進計画の策定についても検討しているところであります。  次に、地域防犯活動支援事業の今後の考え方についてお答えをさせていただきます。  静岡県では、地域ぐるみの自主防犯活動を促進するため、地域防犯活動支援事業として、平成16年度から平成20年度までの5年間を限定とした補助金交付事業を行っております。本市といたしましては、県の補助事業を受け、地域防犯団体の支援をしてきたことから、引き続き県に対して予算確保が図られるよう要望していくとともに、自主的に防犯活動を立ち上げる地域に対して支援できるように努めていきたいと考えております。  以上でございます。   〔4番山本彰彦君登壇〕 36 ◯4番(山本彰彦君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  先ほど御答弁の中で、仮称防犯まちづくり条例の件でありますが、刑法犯が減ったということでありますけれども、犯罪の予防という観点から、ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思っております。  では、3回目は意見、要望を1点述べさせていただきます。  本市の交通の特徴は、交通手段としての自転車利用比率が他都市に比べ比較的高目となっています。また、手軽な交通手段としての自転車利用が、一方では都市交通の課題でもあります。このようなことから、自転車の安全な利用に関してハード、ソフト両面からの総合的な対策が必要であると考えます。  また、自転車に関する条例は、京都府のように自転車利用者に限定した内容、防犯、交通安全といった観点からの自転車利用、そして自転車利用者と駐輪対策を含めた内容と、大体大まかにこのような3つのとらえ方があるようでありますが、自転車利用者の安全確保の観点から、積極的な対応をお願いしたいと思います。  以上、安心・安全まちづくりのさらなる取り組みに期待し、すべての質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 37 ◯副議長(望月厚司君) 次に、山本明久君。   〔16番山本明久君登壇〕 38 ◯16番(山本明久君) 私は、2つの問題について質問をいたします。  第1は、今、市内各地でマンション建設によって住環境が脅かされている問題についてです。特に、建物の高さで、古くから調和のとれたまち並みのところへ突如、中高層のマンション建築計画が持ち上がったところでは、住み慣れた住環境を守ろうという住民が団結して闘っています。この間、本議会でも幾つかの陳情が願意採択されていることを踏まえて、問題点を絞ってお聞きいたします。  1点目は、本市の中高層建築紛争予防条例制定当時には想定していなかったことですが、現在、各地において建築主が住民説明等を下請会社に代理させている問題です。条例の中では、お手元に抜粋を配ってありますが、相互の立場の尊重ということがうたわれていても、建築主が住民の前に出てこないわけですから、8条で例えば、建築主は住民に説明しなければならないと明記されていても、この趣旨にも明文にも背くやり方になっています。実際、地域の実情がよくわからないような代理では住民の疑問や要望にこたえられずに、住民が苦しんで、建築主への不信を広げているという実態があります。  ですから、お聞きいたしますが、こうした状況では、市は建築主に対して対応を是正させる指導をきちんとすべきではないか。お答えいただきたい。  2点目は、特に葵区緑町において、建築主が建築基準法の日陰をオーバーした建築計画を出して、それをもとに条例で規定された標識設置と住民説明をやったという届が2月に出されて、市はそれをそのまま受理して、今、条例上の手続が進められているという問題です。こんなずさんなやり方は聞いたことがありません。違法な資料をもとにした手続は、もちろん条例上想定されておらず、当然、不適切であり、やり直させるべきではないか。お答えいただきたい。  第2は、個人住民税の年金からの天引きについてです。  4月から後期高齢者医療制度の保険料の年金天引きが始まって、全国で猛烈な抗議と批判が沸き起こって、全国各地でも、静岡でも、不服審査請求が大規模に相次いで行われており、政府もこの見直しを表明せざるを得ない状況が生まれているほどです。  ところが、ちょうどそのときに、4月に政府与党によって地方税法が改正されたのを受けて、今議会に議案第151号、市税条例一部改正案として来年10月から個人住民税も年金天引きするという提案がされています。その基本的な内容についてお聞きしておきます。  まず、天引きする理由をはっきり説明していただきたい。また、天引きされる対象者、そのうち所得が年金収入のみの方がどの程度いらっしゃるのか。そして、住民税非課税の人がどの程度いて、その天引きはどうなるのか。  それぞれお聞かせいただいて1回目を終わります。 39 ◯都市局長(金井宣雄君) マンション建設紛争についての2点のお尋ねでございます。  建築主が住民説明等について下請会社等に代理をさせるケースがあるが、住民の疑問や要望にこたえられず、不信を広げている実態もあり、市は建築主に是正させる指導をすべきではないかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  マンション建設に伴う近隣対策として、建築主が代理人を立てて住民対応しているケースが全国的にふえております。この代理人の対応によりましては、住民が不信感を抱き、建築主と直接話し合いができるよう市に対して指導を求めてきますが、このような場合には建築主が出席するよう積極的に指導をしております。  2点目でございますが、緑町において日陰が建築基準法の規定に適合しない計画で標識設置と住民説明の届け出が行われ、条例上の手続が進められているが、不適切ではないか、手続のやり直しをさせる必要があるのではないかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  静岡市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例、いわゆる中高層建築物条例に基づく届け出、また近隣住民への説明は、計画段階のものであるため、住民との話し合いによっては変更もあり得るもので、最終的には建築確認審査において建築基準法に照らし、適法か否か判断されるものであります。緑町のケースもこのような場合と考えられ、市としては建築主に対して、日陰に関し、住民に再度の説明をし、建設予定地に設置された標識の記載内容を訂正するとともに、条例に基づき建築計画等変更届出書を提出するよう指導しております。  以上でございます。 40 ◯財政局長(諸戸修二君) 税の関係につきまして御答弁を申し上げます。  3点でございますけれども、最初に、個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の導入理由ということでございますが、この制度は今後の高齢化社会の進展に伴いまして、公的年金等を受給する高齢者が増加することが予想されておりますことなどから、本年4月の地方税法改正によって導入されたものでございます。高齢者であります公的年金等受給者の方の納税の便宜を図る、これは納期のつど、みずから金融機関の窓口などで納付をしていただく手間を省いていただけるということでございますが、そういうことと、それから、あわせまして市町村におけます徴収事務の効率化を図るという趣旨でございます。  それから、2点目でございますが、制度の対象者、それから、そのうち所得が年金収入に限られる方がどの程度かという点でございますが、この制度の対象者は個人住民税の納税義務者のうち、前年中に公的年金等の支払いを受けた者であって、当該年度の初日において老齢基礎年金等を受給している65歳以上の方ということでございます。ただし、この老齢基礎年金等の年額が18万円未満である場合でございますとか、それから当該年度の特別徴収税額が老齢基礎年金等の年額を超える場合などは、この特別徴収の対象とはならないというところでございます。  それから、数字でございますが、対象者のうち所得が年金収入に限られる方、この年金収入は公的なもの─私的なものを合わせてでございますけれども─の数は平成20年度当初賦課ベースで約2万7,000人と推計をされております。  それから、今のうちの非課税となる方がどの程度か、その天引きはどうかという点でございますが、65歳以上で所得が年金収入に限られる方のうち、個人住民税が非課税となる方の数は、同じく平成20年度当初賦課ベースで約7万4,000人と推計されます。これらの個人住民税が非課税となる方につきましては、非課税ということで、そもそも課税の対象とはなりません。御質問では天引きという御指摘でございましたが、特別徴収はされないということでございます。  以上でございます。   〔16番山本明久君登壇〕 41 ◯16番(山本明久君) まず、マンション建設紛争についてです。  住民説明を代理させているという問題なんですけれど、今の答弁は基本的には容認するという趣旨のように受け取りました。市がそうした立場に立っているから、住民が苦しむことになるわけです。せめて、周辺と調和がとれた建物にしてほしいという住民の声に対して、建築主が誠意を持って直接住民と話し合ってこそ、条例の互譲の精神ということが生まれるはずなんです。建築主が住民に会わずに代理で済ますという態度では、はなから、これはまた条例でいう良好な関係というのを損なうということに実態としてはなっているわけです。代理といっても、弁護士などのように法的資格を持って法的に対応するというものではなくて、実際は説明を丸投げしちゃって安上がりに済ますという建築主の意図がありありとしているわけですね。ですから、こういう実態のもとで、果たして本当に建築主の責務が果たせるのかと。ここはしっかり市がそれを見据えていく必要がある。  そこで、お聞きするわけですが、住民の反発もあって、その代理ではもう説明すら進まないという状況のもとで、出てこいと言うだけじゃなくて、しっかり建築主に、来いと言われても来なければそのままということじゃなくて、出てこさせる、そういう立場に立たせるということが市の責務ではないか。お答えいただきたい。  2点目の緑町の問題ですけれど、いろいろ問題があれば標識を書き直させるということは言われました。しかし、今、その違法な日陰オーバーの計画に基づいて手続がされ、市が受理して、3月には業者は確認申請を民間に出してるんです。そういう手続がどんどん進んでいってるというのを、やはりその問題ある建築計画で一たんストップさせて、住民とやっぱり話し合わせる、そのずさんな中身を反省させるというのがどうしても必要なはずですが、そういうことすらやらないという答弁でした。今、なぜ日陰オーバーがわかったかというと、住民が設計を分析してわかったわけで、市もそれまでわからなかったわけですね。その裏で、建築主は、先ほど言ったような、そうっと標識も直して確認申請も出していくということで、その3月、4月の期間は建築主は、1点目で言いましたように、代理に任せるという態度で住民と会うことすら拒否していた業者なんです。ですから、こんなずさんで住民無視のやり方を条例上そのままにしていいはずがないと思うんですね。市は、こうした内容を届け出段階あるいはそれ以降でなぜチェックできなかったのか。チェックできない仕組みであれば、どうそれをチェックできるように強化するのか、改善するのか、お答えいただきたい。  次に、個人住民税の年金天引きの問題です。  答弁では、これは政府の言うとおりですが、あたかも年金生活者の納税の便宜を図ると。行政にとっては効率的だから、いいじゃないかという、これはもう行政の本当に勝手な言い分で、納める側の気持ちや意思や合意というものを全く無視したやり方なんですね。この間、年金生活者にとっては老齢者控除の廃止でしょ、非課税廃止でしょ、公的年金控除縮減でしょ、これでもう大増税になっているわけですね。それに加えて今回の、後期高齢者の方はその保険料の天引き、さらには住民税天引きということになればですよ、年金生活者にとっては、年金というのは唯一の生活の糧なわけです。それを一方的に本人の合意なしに削るというやり方、これはもう本当にひどいやり方で、2万7,000人程度がそういう影響を受けるということです。  しかも、税金の場合、法令や条例では生活が苦しければ、市の条例の中にも行政と相談して分納する、徴収猶予をするという規定があるわけです。ところが、天引きではこうした手続、仕組みすら活用できないということになってしまいます。これは改めて追及いたしますけれど、今回お聞きするのは、じゃ条例で規定されている減免申請というのはどう対応されるのかという点と、この天引きに対して納税者が納得しない場合、どうするのか。それでも強制するのか、自主納付の手はあるのかお答えいただきたい。  以上、2回目です。 42 ◯都市局長(金井宣雄君) マンション建設紛争についての2回目の御質問にお答えいたします。  代理では住民説明などが進まない場合、建築主が直接責任を負うべきではないかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  代理人による住民説明で話し合いが進まない場合には、建築主が直接説明を行うか、説明会の場に同席するように指導をしております。  続きまして、計画や説明に関する届け出内容に問題がないか、市はどのようにチェックしているのか、チェックの強化が必要ではないかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  中高層建築物条例に基づく標識設置の届け出が提出された場合、届け出の内容や添付書類につきましては、条例及び同施行規則に適合しているかの審査を、また建築基準法につきましても添付書類により一定の審査を行っております。最終的には、建築確認申請において建築基準法に適法であるかの審査を行うことから、中高層建築物条例に基づく届け出の段階ではチェックの強化は必要ないものと考えております。  以上でございます。 43 ◯財政局長(諸戸修二君) 続きまして、2点でございます。  まず、減免申請があった場合どうかという点でございます。  この特別徴収の対象者でございましても、市税条例の規定に基づきまして、市民税の減免申請は可能でございます。要件に該当して減免が必要であると認められた場合には、その減額後の税額が特別徴収の対象となり、または全額免除されるということになるところでございます。  それから、納税者の方が納得されない場合どうかという点でございますけども、公的年金等に係ります個人住民税につきましては、地方税法等の規定に基づきまして、その対象となり、特別徴収が開始される年度の上半期を除きまして一律に特別徴収の方法によって徴収をされるものでございます。対象となる方が、例えば口座振替でございますとか納付書により納付をするということはできないものでございます。  以上でございます。   〔16番山本明久君登壇〕 44 ◯16番(山本明久君) まず、マンション建設紛争についてですが、代理に任せて建築主が出てこない場合、指導して、出てこない場合どうするのか。それは、その根っこに恐らく解釈して、代理でもいいですよという市の条例解釈があるからなんです。明文にはありません。拡大解釈なんです。  そこで、お聞きしておきますけれど、手元にある5条から9条で建築主の責務というのが、義務も含めてうたわれてますが、基本的にはその責務を果たそうとしたら、代理では済まないんじゃないかと。住民が要求して、建築主に出てこいと。市も指導して、出てこさせるというふうにするためにも、基本的には代理ではだめだという解釈に立つべきじゃないか。実際、マンション建設によって被害を受けるのは住民です。日陰から、交通から、住環境から、まち並み破壊から。そういうのをやっぱり行政がどう守るかという立場に、せっかく条例を持っているわけですから、立っていただきたい。明確にお答えいただきたいと思います。  もう1点、緑町の問題ですけれど、やり直さないと。それでもいいんだ、チェックは必要ないという、そんな答弁でいいんでしょうかね。何のために条例の手続規定があるのか。確認申請の出した書類と、住民に説明した図面が違う。いい加減な説明やっといて、確認申請は違う、しっかりとしたやつでやると。じゃ住民説明は何なのだということになってしまうわけです。本当にそんなのでいいんでしょうか。そういうずさんなやり方を市が容認するような姿勢は、これからも追及しますけれど、ぜひ改めていただきたい。少なくとも今回の教訓から、不十分な条例ですけれど、せっかくある以上生かすとすれば、業者が説明やりました、標識設置という届け出をした段階で住民がそれを見て、意見提出をしっかりするという手続を設けて、相当の住民の理由があるというふうになれば、事前に手続進んでいく前に市と業者が協議していく、問題点を詰めていくという手続がどうしても必要じゃないかと。条例改正等について考えをお聞かせいただきたい。  緑町の例を挙げましたけれど、市内各地で共通の問題が起こっていますから、そういう問題をやっぱりしっかり解決するという市の姿勢が、条例改正とともに、その前に解釈段階でしっかり明文規定に沿った対応をしていただきたい。 45 ◯副議長(望月厚司君) 質問は、あと1分で終了してください。 46 ◯16番(山本明久君)(続) 次に、住民税の天引き問題です。  年金というのはサラリーマンの給与収入とは違って、社会保障的な側面がやっぱりあるわけです。そこから生活に充てるわけですから、暮らしを支えるという社会保障的な年金収入から、もう何から何まで天引きするというやり方というのは、戦後の日本の税制である自主・民主・生計費非課税という、こういう原則からやっぱり大きく逸脱するものじゃないかと。戦争を体験して戦後の日本を築いてきた高齢者にどんどん年金から天引きするというのでいいのか、市長はこうしたやり方、苦しんでいる高齢者の苦しみや批判にどう答えるのか。今、天引き見直し検討されてる中で、この住民税天引きも見直していく可能性を市長自身どう見てるのかお答えいただきたい。  以上です。 47 ◯都市局長(金井宣雄君) 条例第5条から第9条における建築主の責務は代理では済まないという解釈でよいかとのお尋ねでございます。  建築主が建築計画の内容等の説明を代理人にさせることにつきましては、代理人が業務を適切に遂行できるのであれば、条例上は問題はないと考えております。  次に、今後届け出内容に建築基準法の規定に適合しない計画があれば、どのように対応するのか、また条例第9条について届け出に対する住民の意見提出と、それに相当の理由がある場合の建築主との協議規定を盛り込むなど、条例改正を検討すべきではないかとのお尋ねでございます。お答えいたします。  建築基準法の規定に適合しない旨が認められる場合には、当該内容を建築主等に伝え、計画を見直すとともに、住民への説明を行うよう指導してきており、今後も同様に対応してまいります。建築主と住民との紛争につきましても、基本的には相互の話し合いにより自主的な解決に努めるべきものと考えており、本条例の改正につきましては必要ないものと認識しております。
     以上でございます。 48 ◯財政局長(諸戸修二君) 税の関係で、制度を見直す可能性ということでございますが、現時点では考えておりません。ほかの条件などが変わらなければ、負担をしていただく税額は同じでございます。納税の方法が変わるということでございまして、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 49 ◯副議長(望月厚司君) 次に、三浦雅司君。   〔14番三浦雅司君登壇〕 50 ◯14番(三浦雅司君) 通告に従いまして、総括質問をさせていただきます。  早いもので、私の議員活動も既に3年を経過してしまいました。(「頑張ってるよ」)ありがとうございます。回数は少ないですけれども、何回かの質問も行わせていただきました。その中でも、この6月議会で補正予算が提出された日本平動物園についてと、それからAEDの設置状況などについて、これはおさらいの意味もあって質問させていただきたいというふうに思っております。  それから、先日、ある知り合いに言われたんですけれども、耐震も含めた学校での防災対策についてと、それから私自身、これは絶対に質問しなければならないなと思っていたんですけれども、考えると非常に難し過ぎて、この3年間とうとう質問することができなかったんですけれども、静岡市の農業についてということでお伺いをしたいと考えております。  まず、日本平動物園についてですが、昨年の6月議会で、質問というよりはむしろ提案という形で話をさせていただきました。市は園内の改修整備を行うわけですけれども、それに伴って、今まで以上に激しくなるであろうと思われる周辺地域での渋滞対策についてであります。  その話に入る前にということか、前段になりますけれども、以前のパークウェイ、今は静岡市道になっておりますけれども、あそこの料金所の下側の部分で現在の動物園の入り口とヘアピンカーブに囲まれた、ずっと以前に市が駐車場用地として先行取得をしてあった土地を、本来の駐車場ではありませんけれども、広い芝生公園として整備するべく、現在、工事が行われておりますが、あの場所は駐車場よりも芝生が似合うということで、私は大変喜んでいるという次第であります。  といいますのは、あの部分は駐車場用地として買収はしたものの、遺跡が発見されたり、傾斜が急角度だったりということで、仮に駐車場にすると、1台当たりの面積のコストが2、3百万円かかってしまうというふうに言われまして、長い間、手がつけられずに放置されていたため、塩漬け土地などと言われて雑草が生い茂っていましたので、冬になると枯れ草が積み重なって、仮に火でもついたら大変なことになるなと、近隣の住民は本当に心配をしておりました。そんなわけで、あの部分が美しい緑の芝生公園に生まれ変わり、桜の下で家族連れが弁当を広げるという光景も想像できて、同じくことし春にオープンしました爬虫類館前のふわふわドームのある芝生公園と相まって、それだけでも今まで以上に人気が高まるだろうというふうに私は期待をしております。事実、ふわふわドームがオープンしたころの、普通の日曜日という言い方も変ですけれども、日曜日も今までよりも来園者がふえたかなという感じを私は持ちました。ですから、市長が今大変努力をされて、先日発表になりましたけれども、ホッキョクグマがいよいよ入ってきたり、あるいはもう既に事業実施しているまちづくり交付金を充ててのリニューアル構想は、動物園の皆さんが大変頑張ってくれて、あの旭山にも負けないだけのプランを目指しているというもので、目玉の猛獣館にホッキョクグマも入ってオープンということになれば、大変大人気で、恐らく大混乱、大渋滞になることは必至であると私は考えております。  ずっと以前に、あるコーヒー飲料の会社を立ち上げた人の話を聞いたことがありますけれども、まず抽出した後のコーヒーのかすをどこへどういうふうに処分するかということを、まず最初に考えた。最大の弱点をまず解決して、それから本格的な会社の経営の話を詰めていったという話を聞いたことがありまして、なるほどと感心させられた記憶がありますが、これはまた話がちょっと変わってしまいますけれども、私たちにとって大問題である南北道路の下大谷線も、仮に他の部分が全部できたとしても、静鉄と国1をいかに交差して、いかに乗り越えてくるかという問題が解決しなければ、本当の意味の解決にはならないなというふうに考えております。そういうことと同じで、一番の弱点をどのように排除していくかをやっぱり最初に考えておくことというのは大変に重要なことで、我が日本平動物園においても、中身は大変すばらしくなったとしても、そのボトルネックである渋滞問題をまず解決しておかない限り、地域住民も、はるばる来てくれる来園者も、余りの渋滞に二度と行きたくないというふうに嫌われてしまうんじゃないかということを私は大変心配をし、当局の皆さんとけんかほど騒いで、ようやく今議会に園内施設整備事業費という名前の実施設計経費が上程されて、本当にうれしく、ありがたい思いをしております。  そこで、質問ですけれども、同じ補正の中にホッキョクグマの受け入れ経費ということも上程されておりますので、これは市長が大変努力されたということで、ぜひこれまでの経緯と今後の計画についてお聞かせいただきたいと思います。  それから、私がいつも言っております進入路と駐車場の整備に至るこれまでの経緯と今後の計画についても教えていただきたいと思います。  次に、問題の農業問題です。この問題はもっともっと積極的に取り組まねばなと考えながらも、その難しさにそっと頭を下げて通り過ぎるを待っているという感じでいましたけれども、議員任期も最終年度に入ってしまいましたので、思い切って、浅学非才さがさらけ出されてしまうかもしれませんけれども、それもまたよいかもしれない。ということよりも、それを全く無視して通ったら、自分自身何も責任を果たしてないんじゃないかという声がしましたので、ぜひこれもやってみようと思って、今決めたものですけれども、これも大分以前の話ですけれども、ある評論家が、日本は工業製品を輸出して農業製品は外国から輸入すればいいんだ、補助金は農家を甘やかすだけで無駄であるというふうなことをしゃべっていたことがありまして、それ以来、だれとは言いませんけれども、私はその評論家を嫌いになってしまいました。それを聞き入れたというわけでもないと思いますけれども、よく猫の目行政と言われる日本の農業政策は、結果的にその人の言ったような方向に来てしまっているように思えますし、農こそは国のもとなりである我が国の農業は、地球温暖化による異常気象から来る気象被害、植物の南北限の北上による不作、もうければ何をしても構わないという人間の欲望の汚さと思われるようなヘッジファンドの横行、車に乗らないんだという発想をすればいいと私は思うんですけれども、車に乗るという発想から来るバイオ燃料などという人間の浅知恵によって、メキシコの人たちの主食のトウモロコシが大変値上がりして、かの地では非常に庶民の生活が大変になっているというようなことも、いろいろなものの本で聞いております。(「自転車だ」)そのとおり。麦の作付を、もうかるトウモロコシに変える。あるいは、えさになる穀類が値上がりをして採算がとれないので、畜産業が日本ではだめになってしまう。あるいは、燃料が高くて、少しぐらいの漁があったのではとても採算に合わないということで、イカ漁やマグロ漁が出ないでやめてしまうと。近所の飲み屋へ行っても、イカがないので寂しい思いをしておりますけれども、神様がお怒りになって、ノアの方舟ならまだいいですけれども、映画の「猿の惑星」になってしまうんじゃないかということで、このごろ、年のせいか、本当に心配をしております。  話がちょっと横道にそれたかもしれませんけれども、日本の農業は、今非常に深刻な危機に直面していると思います。我が静岡市では、先日、打ち合わせの中でいろいろ話が出ましたけれども、自給率という言葉を静岡市ではなかなか使いにくいんですけれども、日本の自給率は先進国の中では最低です。最低の、今、39%と言われている。カロリーベースですけれども。というような異常なほどの落ち込みになってしまいました。我が国を除く先進11カ国の平均が103%の自給率だそうです。そういうことを考えると、指導者は頭を抱えるほど悩まなければならないはずの問題であるというふうに私は思いますし、日本の耕作放棄地は全耕地の1割ほどになるそうで、大体埼玉県の総面積に匹敵するということだそうです。その上、農業に携わる人の45%が70歳以上であると。高齢化も、確実に進行しております。いろいろ考え合わせて、国では05年に、今後10年間で45%に自給率を引き上げるというふうなことを言っておりますけれども、このままではとてもそんな引き上げるどころではなく、なお減少してしまうのではないかということで、私は非常に心配をしております。  農業というものは、今さら言うまでもありませんけれども、自然条件の制約を大変大きく受け、おまけに静岡市などでは特にですけれども、急傾斜地の零細規模という農家が非常に多いということで、ただただ生産性が低いのは、ある意味では当たり前のような部分がありまして、価格を公的、政策的に指示しなければやっていけないというのが、ある意味で特徴であろうと思います。イギリスがかつて価格保証を手厚くして食料自給率を回復したという例があるようですけれども、数字だけでなく、食料は国を支える大もとであるという考え方を軸にして、これは進めていかなければならないということをぜひ肝に銘じておくべきではないかというふうに思います。  これは私見であって、余りに情緒的過ぎると笑われるかもしれませんけれども、最近、我が国で起きるいろいろな事件が、今までの日本では考えられないような、凶悪というよりは、むしろ異常としか言いようのない、思わず目や耳をふさぎたくなるようなことが多いのも、皇紀、ことしは2668年だそうですけれども、2668年の我が国の歴史のうち、大体2600年は米と魚を中心とした日本的食生活であったものが、ここ数十年で急激に欧米的な肉食中心の食生活に変わってしまったということで、そういう食生活が日本人の体質や頭脳に大きく影響しているんじゃないかというふうに私は考えております。自給率を上げるという言葉の中に、日本人の体質に合った日本独自の従来の食生活を速やかに取り戻さなければならないという目的を含んでいるというふうに私は思っておりますけれども、もしかしたら、大向こうから笑われるかもしれませんけれども、真剣に私はそう思っております。  同時に、静岡の農業を本当に立て直したいと考えるなら、例えば市役所庁舎の中で行われる会合にはペットボトルでなく、必ず静岡産の緑茶を出すということを徹底するとか、これは女性職員だけに任せていると、これはなかなか難しい問題ですので、というよりは静岡の人間として、ぜひ男でも女でもうまいお茶を入れるということができて、特にお茶というのは大勢に出すのは大変難しいです。大勢においしいお茶を出すというのは難しいもんですから、できるだけ出してくれる人も大人数の人が、小人数の人にうまいお茶を出していただくと。ぜひうまいお茶の入れ方も勉強をしてもらいたいと思いますし、遠くから来た人が静岡へ行って、静岡の庁舎へ行ったら、お茶が大変おいしかった、さすが静岡だと言われるような努力もやっぱり必要ではないかというふうに私は思います。  最近見た資料ですけれども、農水省の試算によりますと、次のようなものがあります。米は、御飯を1食につき、もう一口食べると、カロリーベースで1%向上するんだそうです。国産小麦100%使用のうどんを月にもう3杯食べていただけると、やはり1%上がるそうです。ほかにも、幾つかの例もありましたけれども、ちょっとここでは言いませんけれども、そういうほんのわずかなことでも、ぜひ日本の農業を大事にするという意味で、いろいろな試みをしてもらうというのも大変必要ではないかと思います。  これもまた、大げさになるかもしれませんけれども、国産農産物の消費拡大には、輸入による海上輸送に伴うCO2の削減にもつながります。地球温暖化の抑制にも効果があるということになります。国民一人一人が、市民の一人一人が、細かいことの一つ一つの努力をしなければならないんじゃないかというふうに私は思っておりますし、まず行政とか議会が率先して行っていくべきではないかというふうに思っております。  ぐずぐず言っている暇はないというふうに私は思っております。いろいろ言うまでもなく、日本の農業を取り巻く情勢は非常に厳しいものであります。静岡もまた例外ではないです。  そこで、質問ですけれども、静岡の農業について、現在どのように考えているのか、静岡市の農業振興策についてどのように考えておるのか、現在の取り組みはいかがであるのかということを聞かせていただきたいというふうに思います。  次に、AEDについてお聞きしますけれども、これについて、私は平成17年の11月議会で質問させていただきまして、政令市といっても、これがない都市は格が低いよというふうなことを言ったつもりですけれども、そのちょっと後の平成18年度が始まってから当初だったと思いますけれども、18年度、19年度の2カ年で市の公共施設270カ所に設置するという新聞を見て、ああ、さすが静岡だなというふうに非常に私は感激したことを今でも覚えているんですけれども、その日の朝、市役所へ来たときに、だれとは言いませんけれども、ある会派の会長に呼びとめられて、「なかなかあんたも大きなことをやったね」と褒められました。大変うれしかったことを覚えているんですけれども、そんなこと以上に、よく私みたいな新米議員の質問を覚えていたなということで、そのことの頭のよさに非常に感激したり、その心配りといいますか、気配りのすごさに大変感激したことを覚えております。議員になってよかったなと、つくづくあのとき思いましたし、しばらくの期間、うれしかったということをはっきり覚えております。  ここに、皆さんの机にAEDの静岡新聞のコピーが置いてあると思いますけれども、これを見ていただきたいということで、ちょっと自慢話ととられると困るんですけれども、はっきり言って自慢話です。非常に私はうれしかったものですから、この内容を読んでいただければ、ちっとは自慢してもええよと言ってくれるんじゃないかというように思うんですけれども、人生というのはドラマみたいなもんだと私はいつも思ってるんですけれども、この記事は、まさにドラマで、一大スペクタクルだというふうに私は思っております。これほど、筋書きのないドラマとよく言いますけれども、脚本のない感動的なドラマはそんなにそこらに転がっているものではありません。内容は後でゆっくりお読みいただきたいと思いますけれども、稲垣君という市高の野球選手だったですけれども、稲垣君親子に栄光あれと、心から思います。その強い運命の力を感じて、私はまだたった68年しか生きていない短い人生の中で最高の感激、感動の物語だったというふうに覚えております。  ただし、これは設置をすればいいというものではありません。使いこなさなければ無用の長物となってしまいます。よく、機械がしゃべってくれるから大丈夫と言う人もありますけれども、なかなかこういう緊急事態のときに、ちょっとぐらい機械がしゃべったからって、それを冷静に言うとおりにできるということはなかなか大変なことで、よほど訓練をしておかないと、いざというときに使いものにはなりません。また、人間は忘れる動物ですから、定期的にやはり練習をして、なれておくべきだというふうに私は思っております。  そこで、お聞きいたしますが、AEDの今現在の、静岡における設置状況と、それを使いこなすための訓練状況はどのようであるのか、また市民への周知はどういうふうにしているのか、ぜひ教えていただきたいと思います。  次に、学校の防災対策であります。  今の地球や日本は、まさしく神が怒っているのではないかと思われるようなことばかり続いています。地震、津波、台風、ハリケーン、サイクロン、これは同じもののようですけれども、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、マラリアの北上、インタビューではいつも、何であのいい人がというような人が、顔をそむけたくなるような異常な犯罪を犯す。地球も生き物だという観点からすれば、もしかしたら地球が自浄作用を起こしているのかもしれないというような状況です。そんな中で、私たちの住む静岡は、30年以上も前に東海地震説が唱えられ、機器や装置は他都市と比べると格段に進んでいるそうです。特に、学校と保育施設は、平成21年度までに耐震化の完了を目指す方針で進んでおり、他都市と比べても随分進んでいる状況にあるようです。しかし、先日、ある高校関係者とお会いしましたときに、例えば清商は24年度に新校舎が完成します。そのときには、当然、耐震もすばらしい建物になるでしょうけれども、その前に地震が来たらどうするんだと言われたんですけれども、そんな、まるで言いがかりをつけるような言葉を聞かされたんですけれども、当事者にしてみると、また今の情勢を考えると、それがただただ笑い事でもなく、言いがかりでもなく、非常に真実味を帯びた話であるというふうに私は思いました。ですけれども、だからといって、莫大な予算を必要とする学校の耐震化は、右から左へというふうに簡単にいかないというのが本当のところです。中国とは違いますけれども、四川大地震を考えると、本当に身の毛のよだつ思いがするのですが、じゃ、どうするかといえば、とりあえずそんなに金が、さっきも言ったとおり右から左へできるわけのものでもなくて、やはり安価で設置できる装置などについては早く何とかしても、やっぱり一番大事なのは、やはり防災意識の徹底ということだと私は思っております。ぜひ、本当に役に立つ防災訓練、ただただ防災訓練だからって気楽に外へだらだら出ていく、そんなふうな訓練であったら意味もないということで、非常に防災意識を徹底させるための防災訓練というのは非常に大事だと思うんですけれども、学校の耐震対策は計画どおり進めていくんでしょうけれども、そのソフトの問題である真の防災訓練はどのように実施しているのか、その辺について教えていただきたいと思います。  以上、まとめて1回目の質問といたします。 51 ◯市長(小嶋善吉君) いろいろ思いのこもった質問をして、聞きほれておりました。  まず、私からは、日本平動物園のことについて答弁をさせていただきます。  日本平動物園は、かつて静岡市民の皆さんの1円募金から始まった動物園でありまして、かなり長い歴史を誇っておりますが、交通渋滞の問題と、そして施設の老朽化の問題がずっと懸案でありました。私も含めて、かつては本気にもっとアクセスのいい場所へ本格的な移転も考えたことがあるぐらいでありますけれども、なかなかそれも莫大な費用のかかることであります。それで、いろいろ再整備計画をつくってまいりましたが、事ここに至っては、未来永劫あそこの場所で市民のための動物園を維持、運営していこうという腹を決めまして、設備の改修あるいは道路の渋滞解消あるいは駐車場の整備に本格的に力を入れていこうということを決断いたしまして、これからかかっていきますので、また御支援、御協力をお願いしたいというふうに思います。  また、ホッキョクグマにつきましても、これほど難しいとは思わなかったんですけれども、やっと実現をしそうでありまして、その辺の経過はまた担当から答弁させますが、これにつきましてもよかったなというふうに思っております。  日本平動物園では、驚きと感動、そして夢を与える動物園を目指して、6カ年をかけてこれから再整備を行ってまいります。また、念願でありましたホッキョクグマの来園も決まるなど、希少野生動物の一層の充実も図られて、その質と機能の向上が大きく期待されています。  一方、この地域は、日本平を初めとする観光資源にも恵まれているために、時として日本平山頂へ行く車と動物園へ来る車と相まって、周辺に大変な交通渋滞を起こし、来園者や地域の住民の皆様に大変御迷惑をおかけしてまいったと思っています。そうした状況の中で、昨年の6月定例会におきまして、三浦議員からの質問や要望があったことも一つのきっかけとなりまして、渋滞解消のための調査検討を行いましたところ、主な渋滞原因は動物園入り口信号箇所での車両の右折進入と滞留レーンの不足及びピーク時の駐車場収用台数不足であるということが結論づけられました。このため、将来的な地域発展を考えますと、動物園への新たな進入路と駐車場の整備が必要であると判断をし、今議会でそのための調査等の予算の審議をお願いしているところであります。今年度は、調査及び実施設計を行い、それをもとに順次用地測量や工事を実施してまいりたいというふうに思っております。  それと、AEDのことについては、お褒めをいただきましてありがとうございます。これについては担当のほうから、詳しくまた答弁させていただきます。  それと、小中学校の校舎の耐震ですが、これも平成8年、9年ごろにかけて市内の小中学校の耐震診断を全部しまして、それを全部、実は公開をいたしまして、悪いところから順次計画的に補強していきますということでやってきました。やっと来年度すべて予定どおり、約10年以上かかって計画どおり進みまして、あともう少しで完了するというところまで来ました。四川大地震の被害を見ると、授業中に子供たちが校舎の下敷きになって数多く死んだという姿を見ると、やっておいてよかったなという思いで、今、おります。  他は、担当のほうから答弁させます。 52 ◯生活文化局長(古屋光晴君) 日本平動物園にホッキョクグマを受け入れることになった経緯と今後の計画についての御質問にお答えいたします。  日本平動物園では、かねてよりロシア・レニングラード動物園とホッキョクグマの導入について協議をしてきましたが、本年4月4日、ホッキョクグマの繁殖飼育に関する合意書が締結されまして、無償で当面10年間、ホッキョクグマを借りることができまして、念願のホッキョクグマがやってくることになりました。このたび受け入れるホッキョクグマは、昨年11月27日、レニングラード動物園で生まれた双子の雄のうちの1頭で、生後7カ月、体重は35キログラム程度になると聞いております。日本平動物園に来園するのは7月の上旬となる見込みでありますが、十分な健康管理が必要であるため、しばらくの間は公開せず、静岡の気候や環境になれた秋ごろに一般公開する予定でございます。また、公開するまでの間、映像のネット配信や愛称を募集するなどして、広く市民の関心を喚起し、公開の際は命名式などを行っていきたいと考えております。  以上でございます。 53 ◯経済局長(熱川 裕君) 静岡市の農業振興策の現在の取り組みについてお答え申し上げます。  本市の農業振興策といたしましては、恵まれた自然と環境を調和させながら農地を保全し、高付加価値化と生産性の向上を図る農業を推進するとともに、安心・安全な農作物の供給が図れる地域農業を目指した地産地消が重要なことととらえ、積極的に推進しているところでございます。  具体的には、効率的かつ安定的な農業経営を実現させるための認定農業者を初めとする担い手の育成支援事業を実施し、茶、ミカンの優良品種への改植を推進するとともに、農業生産の効率化を図るための畑地帯総合整備事業による優良農地の創出及び農道の整備等を行っております。また、中山間地域におきましては、地域住民が一体となり取り組む資源保全活動を支援する中山間地域等直接支払制度や、農地・水・環境保全向上事業を推進しております。また、農業従事者の高齢化、担い手不足による労力を補うことを目的とする援農ボランティア事業や、農業への理解と食育を目的とする農業体験教育事業を実施してまいります。さらに、昨年度策定いたしました中山間地域ビジネス振興プランに基づき、消費者ニーズの把握と売れる商品づくり、新規事業及び販売ルートの開拓など、考え得るさまざまな施策の展開を図ることにより、農業の振興に努めてまいります。  以上でございます。 54 ◯保健福祉子ども局長(長田光男君) AEDの公共施設への配置状況と市民への周知についての御質問に一括してお答えします。  本市の公共施設へのAEDの配置状況は、平成18年8月時点で18施設、18台でありましたが、救命効果の高いAEDの配置要望の高まりを受け、市民が安心して施設を利用できるよう、配置の必要がある全施設を対象に、18年度9月補正及び19年度当初予算により整備を完了したところです。  なお、このAEDの増設は市長のマニフェストに位置づけられたものであります。  区役所、体育館、小中学校など、特に利用者の多い施設から順に配置を進め、平成20年4月1日現在、合計で292施設に311台を配置するほか、消防ヘリコプターのカワセミに1台、消防車両に47台を配備したところであります。  市民に対する周知については、各公共施設にAED設置施設を示す表示シール等を掲示するとともに、市役所ホームページの「くらし」欄にAED配置状況を掲載し、どこの施設に配置されているかわかるようになっております。  次に、各公共施設職員の取り扱い訓練についての御質問ですが、各公共施設職員のAEDの取り扱い訓練については、平成18年度からの整備にあわせ、各施設の職員を対象に、消防防災局と協力し、AEDの取り扱い方を含む心臓マッサージや人工呼吸の心肺蘇生法を学ぶ講習を実施するとともに、各施設へのAED納品時に業者による説明会を開催し、機器の使用方法等について十分な説明を行ってきました。今後は、利用者の安心・安全を確保するため、AEDの保守管理とともに、各施設において職員への取り扱い訓練を含めた教育を実施してまいります。  以上でございます。 55 ◯教育次長(辻 和夫君) 学校の防災対策について、地震災害に対してどのような防災訓練を実施しているのかとの御質問にお答えいたします。  小中学校の耐震補強工事は、平成21年度までに文部科学省の基準を満たすよう、工事を進めております。学校教育にとって、子供たちの生命尊重及び安全確保は最大の責務でありますので、各小中学校においては静岡市地域防災計画等に基づき防災計画を策定し、災害に備えております。例えば、緊急時の子供の安全を確保するため、学校では年4回程度、情報伝達、避難誘導、救出救助活動などの防災訓練を実施しております。こうした取り組みのほか、東海地震注意情報等が発令された場合を想定し、小学校を中心に子供を保護者とともに帰宅させる引き渡し訓練も実施しております。また、学校によっては不測の事態に備え、校舎内で転倒物などがあった場合の迂回避難路の通行や予告、誘導がなくても安全に避難ができるような訓練をしているところもございます。  以上でございます。   〔14番三浦雅司君登壇〕 56 ◯14番(三浦雅司君) 1回目にまとめて質問しましたので、2回目は意見、要望を簡単に申し上げたいと思います。  動物園については、あの旭山に負けないという意気込みですから、ぜひこれは頑張っていただきたいというふうに思います。アクセスなど、特に重要な問題ですけれども、私たち一生懸命取り組みますので、中のほう、頑張っていただきたいというふうに思います。特に、シロクマというか、正式にはホッキョクグマですけれども、最近の報道でも40年先の絶滅危惧種だということをテレビで言っておりましたけれども、仮にこの先どこかから市長が頑張ってもらってきてくれると言っても、これはもう恐らく可能性はないです。したがって、何とか今度来る、名前はまだわかりませんけれども、つがいにしていただいて、子孫を繁栄させてやってほしいと。よその動物園へ提供できるほどになっていただけたら大変ありがたいと。ちょっと前に聞いたことですけれども、静岡のこの日本平動物園は、非常にそういう繁殖の技術というものはすぐれているということですので、ぜひその点、力を振るっていただきたいというふうに思います。お願いします。  農業の問題は、大変深刻ですけれども、これは何とかしなければならない問題でありまして、畑地帯総合整備事業は大変すばらしい試みで、農道の整備と相まって優良農地の創出に大きな力となっており、もっと全市的に広げることも考えるべきことかもしれません。  いずれにしても、農家の生産意欲をわき立たせるだけの所得補償や価格保証、行政や市民などの後押しも欠かすことはできないものと思われます。  昨年、私は会派視察でベトナムへ行かせてもらいました。これは余計な話になってしまいますけれども、私は言葉がわかるわけでもなく、そんなに交流を深く持ったというわけでもありませんけれども、なぜかベトナムの人たちとは非常にわかり合えるような、私はそんな感じを持ちました。親近感を感じたということですけれども、単なる友好都市ではなく、ぜひ農業問題などでも、今も研修生の方来ておられるんじゃないかと思いますけれども、農業問題などでもぜひ受け入れたり、技術援助をしたり、農産物の輸出入など、深いつき合いをしていく国じゃないかなという感じを、これは私が勝手に持ったんですが、フエ市と友好都市という関係をつくった市長は、恐らくこういうことをやっぱり考えておられるんじゃないかと思います。そのことについて、また時間があったら、ぜひ話したいと思います。ぜひよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 57 ◯副議長(望月厚司君) この際、暫時休憩します。         午後2時50分休憩    ─────────────────────         午後3時1分再開 58 ◯議長(城内 里君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行します。  次に、深澤陽一君。   〔6番深澤陽一君登壇〕 59 ◯6番(深澤陽一君) 通告に従いまして、静岡市のお茶の振興についてお伺いいたします。  シティセールスの戦略資源として、お茶、マグロ、ホビーが挙げられておりますが、その中でもお茶は800年以上の歴史があり、本市の基幹産業としてだけでなく、文化の中心的な役割も担ってまいりました。私も、お茶が身近にある地域に育ったこともあり、議員になって以来、多くの茶農家の方あるいは農協職員の方などと話し合いをし、また必要に応じ、他都市への視察研修を行い、どのような形が我が町の茶業振興にふさわしいのかを勉強してまいりました。ことしは天候にも恵まれ、良質なお茶ができ上がったと伺っております。それにもかかわらず、茶農家からは、厳しい状況であるだとか、ことし限りでやめる茶農家があるだろうといった厳しい声が聞こえております。  茶の価格が安くて大変だという話は、ことしだけでなく、私が知るだけでも、ここ数年続いていることであると思います。原因としては、幾つかあると思いますが、その1つとして、多くの方が述べられておりますが、ペットボトルでのお茶の消費量が増加したことで、リーフを急須で入れて飲む人が減少してきたということでしょう。最近は至るところでペットボトルのお茶を飲んでいる方を見かけますし、会議などでも急須で普通に入れたお茶が振る舞われることが少なくなり、それにかわりペットボトルのお茶が使われることが多くなったように感じます。日常生活の中でも、リーフでお茶を入れる場面は減少し、それにかわりペットボトルのお茶が老若男女を問わず飲まれているように感じます。ペットボトルのお茶を飲むことが悪いことではありませんが、ペットボトルのお茶がつくられる際に使用されるリーフの量は、急須で入れて飲む場合に比べてほんのわずかなため、ペットボトルのお茶の消費量が増加したとしても、リーフの消費量に直接反映してこないことが悩ましいところです。  2つ目の原因として、ほかの茶産地との競争による価格低下があります。以前にも総括質問などで多くの議員が、旧知覧町のお茶の生産方法を例に挙げるなどして質問をされていますが、九州地方のような、静岡市より早く暖かくなる地域では、当然早く新茶がとれるため、どうしてもそれ以降にとれる本市の新茶などの価格低下に影響してしまう。ただ、ことしは全国的にお茶の市場価格が安くなっているそうで、早い、遅いということがなかったとしても、価格の低下という課題の解決にはならないようです。  そのほかで茶農家を厳しくさせている原因として、国際的な問題となっている原油の高騰がありますが、私の聞いた話の中では、共同茶工場などで機械に使われた燃料費が去年に比べて今のところ100万円ほど多くかかっているという話を聞きました。多いところでは250万円ほどという話も聞きました。個人の茶工場でも、去年に比べて10万円以上燃料費がかかったというような話がありました。また、お茶の生育に必要な化学肥料の値段も、来月あたりには4割ほど価格が上がるという話も聞きました。新聞では5割から7割、あるいは1.5倍から2倍値段が上がるというふうに書かれてありました。静岡市のお茶の一番茶の市場価格は、昨年に比べて1割ほど下がったようですが、それだけでなく、今述べたような生産コストの大幅な上昇が上積みされて、茶農家の経営にダメージを与えているようです。  今述べたのは私が知る限りの範囲でのことで、あるいは感触でありますが、当局としては、静岡市の茶農家の現況とお茶の消費に関する傾向をどのようにとらえておられるのか、お茶の課題を考える基盤の部分として、まずお伺いをいたします。  続きまして、茶文化振興基金について質問いたします。  本市では、茶文化振興のため、平成17年度に3億円の基金を積み立てました。以降、お茶のまち100年構想など、お茶に関する事業に取り崩して活用し、現在2億4,000万ほどが残高としてあると思います。この基金はお茶どころ静岡市としての特徴を示すもので、今後の活用に大変期待をしているところではありますが、気になる点も1点あります。それは、基金の活用のため、年度ごとイベントなどの事業を計画しておりますが、どのような基準でこの基金を活用しているのかという点です。お茶に関することであれば何でもいいのか、基金活用に伴う効果はどの程度見込んでいるのか。私の個人的な感覚もあるかもしれませんが、少しすっきりしません。以前、委員会でこの基金の活用の仕方を伺った際、10年から15年で取り崩して活用するという趣旨の御答弁をいただきました。であれば、やはり100年構想というのもいいのですが、10年あるいは15年の計画というようなものが必要になってくるのではないでしょうか。今後、財政状況が厳しくなるのは、皆さんがわかっていることです。だからこそ、このお茶のためだけの基金というものを目的を持って使うべきではないでしょうか。  質問としては、茶文化振興基金の効果的かつ適切な活用のためにも活用計画をつくる必要があるのではないかと思いますが、このことについて当局のお考えをお伺いします。 60 ◯経済局長(熱川 裕君) 静岡市の茶農家の現況をどのようにとらえているのかの御質問に、まずお答えをいたします。  茶農家の経営状況は、荒茶価格の低迷から農業所得が減少しており、加えて、昨今の原油価格の高騰、さらには肥料、農薬などの価格上昇が予想され、茶農家の農業離れにつながっていくことが懸念されているところでございます。また、本年の一番茶は品質がよく生産量が少ないにもかかわらず、荒茶価格が低調であり、これまでの市場傾向を覆す荒茶相場であったことにも懸念を抱いており、その動向に注目をしております。  一方、このような状況下においても、自園自製自販などの手法をとっている茶農家については、比較的安定した経営がなされているところも見受けられます。  現在の茶の消費に関する傾向をどのようにとらえているかとの御質問でございますが、緑茶の国内生産量と輸入量を合わせた国内供給量は、ここ30年程度10万トン前後で安定的に推移をしておりますが、最近の5カ年でリーフ茶の1世帯当たりの消費額は13%減少したのに対しまして、ペットボトルなどのドリンク茶の消費額は23%増加しており、リーフ茶の消費が減少をしております。生活スタイルが多様している中で、ドリンク茶が求められる機会は多いと思われますが、市民意識調査では市民はドリンク茶とリーフ茶を使い分けている傾向も伺え、急須で飲むお茶の機会など、リーフ茶の魅力をPRすることで消費を拡大していく可能性はあるものととらえております。  続きまして、茶文化振興基金をどのような基準で活用しているのか、そして茶文化振興基金の活用計画を策定する必要があるのではということの御質問にお答えをいたします。  静岡市茶文化振興基金は、平成17年9月、茶文化及び茶業の振興を目的とする事業の推進に要する経費の財源に充てることを目的に設置をいたしました。茶文化の創造啓発、茶の需要拡大に寄与する茶文化振興事業と、茶産地、お茶のまちの重要な基礎資源である茶園の確保に係る茶業振興事業に該当する事業に対して基金を活用しております。具体的には、昨年度までに清水港お茶直輸出100周年記念事業、お茶のおいしい入れ方教室、小学生闘茶キング選手権大会、茶園改植推進事業などを実施してまいりました。  基金の活用計画につきましては、静岡市お茶のまち100年構想提言書を受けまして、今年度策定をいたします10年後を見据えた基本計画と3年スパンで見直す実施計画の中で検討していく考えでございます。  以上でございます。   〔6番深澤陽一君登壇〕 61 ◯6番(深澤陽一君) 御答弁をいただきました。  今回の質問はお茶の振興ということで質問をしているわけなのですが、やはりその源である茶農家の困窮に関して何かしなければという思いを持ち、質問をしています。ただし、行政として何かしなくてはといっても、そこに対して直接的に補助金を出すとか、燃料に対しての補助金を出すことは依存型の経営体質を招く可能性があり、それでは足腰をますます弱めるばかりだと思っております。当然、行政は市場の調整役にはなれませんし、やれることは限られてくると思います。  例えば、その1つとして、生産コストを抑えていくことが考えられると思います。例えば、これは農家の方からの話ですが、化学肥料が高騰するのであれば、有機肥料を利用した循環型農業を活用できるようにして、少しでも原油高の影響を和らげることを考えるべきではないかというようなことです。  2つ目は、新たな消費者の開拓というアイデアです。これも、ある茶農家の方からのアイデアですが、日本全国で緑茶を余り飲まない地域がまだまだあります。そういった地域にキャラバン隊を出して、静岡市のお茶のPRとともに、直接生産者や流通業者と消費者が結ばれるような活動を試みてはどうかということです。今では業者あるいは農家が直接海外に緑茶を輸出しているということもありますが、海外への普及の取り組みも活動範囲として考えてみてもいいと思います。  また、お茶の振興策としての提案ですが、最近、小学校ではお茶の入れ方教室が市内多く実施されておりますが、それを全小学校で年1回実施してみたり、小学校の学校給食でリーフ茶を取り入れてみたりすることを政策的に考えてみてもいいのではないでしょうか。これを考えるには、日本茶インストラクターの数や給食費内でどのように工夫できるかを考えることができるかどうかということもあると思います。  お茶の振興策として、もう一つ、市の施設でお茶を振る舞うという提案はどうでしょうか。例えば、静岡市役所のどこか可能なところで市民にお茶を振る舞うことはできないだろうか。茶香炉のようなもので、入り口を入るとお茶の香りがするというようなこともできるのではないかと考えてしまいます。ただ、このような普通の考えは既にだれかが提案していると思われますし、何かできない原因があるのかもしれませんが、検討していただけたらと思います。  同じような趣旨で、JRの協力を何とかいただいて静岡駅をお茶の香りで満たす、あるいはお茶のポスターなどでイメージを売る取り組みを、そういったことも以前からあるようですが、積極的な取り組みで実現させることも期待されると思います。振る舞う以外にも、先ほどの質問で三浦議員も言っておりましたが、会議や職員みずからがお茶をリーフで飲み、お茶のイメージをPRすることはできると思います。現在、男女共同参画の視点やISO14001の中で飲み終えた茶がらが生ごみという分類になるという理由で、市役所内でもリーフ茶を使うことが減少しているようです。お茶の入れ方は、飲みたいときに自分で入れればいいと思いますし、ISOに関しては、例えば飲み終えた茶がらをどこか1カ所に集め、堆肥にしてみることもできると思います。今では生ごみを堆肥にする機械まであるので、そういったものを利用し、来庁者に無料で配布したり、植木の肥料として利用したりもできると思います。  質問としましては、今いろいろなことを述べさせていただきましたが、そのような提案も含めて、当局として今のお茶を取り巻く状況に対し、新たに何か施策を考えているかどうか、お考えをお伺いいたします。  茶文化振興基金について、お考えをお伺いいたしました。  今までの茶文化振興基金の活用内容を見てみますと、先ほどの御答弁でもいただきましたが、イベントなど、消費者に対する活用、ティーポットボトルといった流通業者の声を聞いたものは、形として取り組んできたように思いますが、生産者の声は余り反映されていないように感じております。お茶の振興は、生産者、流通業者、消費者、どれかが欠けても弱まってしまいます。非常に厳しい茶農家の現況もある中で、茶文化振興基金事業にできるだけ早急に茶農家の声を聞いて、それを反映すべきだと思いますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお伺いいたします。
     以上、2回目にします。 62 ◯経済局長(熱川 裕君) 現在のお茶を取り巻く状況に対し、どのような施策を考えているのかの御質問にお答えをいたします。  本市で生産されるお茶のおいしさはだれもが認めるところでありますが、それが農家の収入に反映していないという厳しい現状があり、従来から実施している茶園改植推進事業等、ハード面だけの施策では、この状況は打開できないものと考えております。今後は農家、茶商のみならず、市民にも農業、お茶を身近に感じてもらえるような取り組みも必要と考え、今年度から援農ボランティア事業を開始したほか、お茶を通じた人づくりを進めるお茶育や、お茶に絡んだ体験型農業としてのお茶ツーリズム等、生産、流通、消費の連携が持てるような施策を展開してまいります。このほか、静岡市を訪れた観光客へのお茶でのもてなし、緑茶カフェの提案、公共施設での点茶サービス、また首都圏などでのシティセールスの展開等を戦略的に進めることにより、市内外でお茶のまちを感じられるまちづくりを目指してまいります。  続きまして、今後、茶文化振興基金事業にもっと生産者の声も反映させて活用していくべきと考えるが、どうかという御質問にお答えをいたします。  お茶は800年以上の歴史を持つ本市の基幹作目であるとともに、産業、文化両面でさまざまな市民がかかわる大事な資源であり、今後も効果的な基金の活用を図り、茶文化及び茶業の振興策に取り組んでいく考えでございます。  今年度より、静岡市お茶のまち100年構想の基本計画、さらには実施計画の策定を進めるに当たりまして、茶農家を初め、茶商や日本茶インストラクターの方々の積極的な参画を得ながら取りまとめていく考えであり、あわせて関係団体等と協働して職員が現地へ赴きながら茶農家との話し合いの場に積極的に参加し、生産現場との情報共有を深めていく予定でございます。これらにより、茶文化振興基金事業の具体的な活用にも今まで以上に生産や流通、消費の声を反映できるものと考えております。  以上でございます。   〔6番深澤陽一君登壇〕 63 ◯6番(深澤陽一君) それぞれ御答弁をいただきました。  最後に、意見を述べさせていただきます。  今回質問したのは、2回目の登壇の冒頭でも述べましたが、茶農家の危機的状況を何とかしなければならないという思いから質問をいたしました。今いただいた御答弁の内容で本当に十分なのか、私も考えますが、当局としても引き続き考えていただきたいと思います。  さて、1回目の御答弁にありましたように、自園自製自販までしている農家は比較的経営が安定しているということからも、生産と消費者を直接つなげる比率を上げられるお手伝いをしたり、あるいは同じような意味で流通の部分で何とかして生産者を助ける努力が必要なのではないかと感じます。また、今年度から茶農家を回って話し合いをしていただけるということで、ぜひできるだけ多くの方々とそういった場を持っていただけるようお願いをいたします。  先日も、東京お台場で「静岡市はいいねぇ。キャンペーン」でしたでしょうか、お茶をお客さんに振る舞っておりました。そこに茶葉を提供していた生産者の方々は、やはりふだんでも活発で元気のいい一部のお茶農家さんばかりだったように思います。そういった意味でも、できるだけ多くの茶農家の方々の意見を聞いていただき、ふだんは埋もれてしまっている思いというものを政策に反映していただければと思います。  御答弁ではちょっと触れていただけなかったのですが、役所内で行われる会議などには、ぜひリーフ茶で入れたお茶を使っていただきたいと思います。先ほども言いましたが、茶がらが生ごみとなって問題ならば、それを工夫してごみにしなければいいと思います。違った視点で考えてみますと、エコという観点からも、ペットボトルや缶のごみが出ないようにリーフ茶を入れていただきたいと思います。今、若者文化の中では、さまざまなライブイベントでリユースカップあるいはリユース容器といったものをデポジット制で使うようになっております。先日も日本平で開催されたライブイベントでは、有名なNGOのアシードジャパンが参加してリユースグッズを提供しておりました。若者はエコがカルチャーになりつつあります。完璧じゃなくていいと思います。そういった視点からも、ぜひ役所でも御検討をお願いします。三浦議員も期待してくれていると思います。  今回の質問は、茶農家の現状を改善させるような話は私の力不足で引き出せなかったように感じますが、とにかく今はできるだけ多くの方々の意見を聞いて、施策に反映していただきたいと思います。  以上で質問を終わります。    ───────────────────── 64 ◯議長(城内 里君) 本日はこれにて延会いたします。         午後3時23分延会    ───────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...